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ミニ移民史料館建てたい=コチア、リンスなどで〝動き〟

3月 6日(土)

  移民百周年を四年後に控え、各地にミニ移民史料館の建設ブームが訪れそうだ。ブラジル日本移民史料館(サンパウロ市)の大井セリア館長は「これまでにコチア、リンス、アサイなどから協力要請があった」と明かし、「地元の歴史を保存しようという意識が広がってゆくのは大切なこと。展示品の貸し出しなど、相互交流を図っていければ」とこの動きを歓迎する。しかし一方で、地方では史料の展示や管理に関する専門家が不足。建てた史料館をきちんとした形で運営維持していけるか、といった根本的な課題も残されている。
 「とくに積極的なのはコチア。市役所の文化局担当者が日系女性で乗り気なようだ。リンスからは二年ほど前から話がある」と大井館長はいう。今後も各地から史料館建設に関する問い合わせ、協力要請などが相次ぐものとみている。
 ブラジル各地にはすでにレジストロ、バストス、ペレイラ・バレット(いずれもサンパウロ州)、ローランジア(パラナ州)、トメアス(パラー州)にミニ移民史料館がある。ただ、その運営や史料管理が必ずしも順風満帆なわけではない。
 どこも専門家の不足から技術的な問題を抱えている。史料の風化も深刻だ。サンパウロの史料館では約五千点の物品、一万点以上の印刷物と豊富な展示品を保管していることから「貸し出したい気持ちは強い。だが、シロアリ対策などが果たして徹底されているかどうか。管理の状況などを考えると踏み切れない気持ちもある」と大井館長は本音を漏らす。
 そこで再来年、国際協力機構(JICA)から博物館業務に明るいシニアボランティアを派遣してもらえれば、と考えている。巡回指導が実現すれば史料館運営に対する基本的な知識が普及するだろうとの思惑からだ。
 大井館長の話にはJICAサンパウロ事務所も理解を示す。「こちらの耳にも専門的な助言が欲しいとの要望が度々届く。どんなニーズがあるのかをさらに詳しく調査し対応していきたい」(村上ヴィセンテ日系社会班担当)と話している。

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