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航空券代金詐欺ねらう=業者警戒「デカセギの質悪化」=立て替えてもらい現金化はかる  

5月13日(木)

 人材派遣会社に航空券を立て替えてもらったデカセギが実際には訪日せず、航空券を払い戻して代金を不法に詐取しようとしていたことが、十一日に分かった。犯行は未遂に終わったものの、同様の事件が今後、発生するおそれがあり、斡旋業者は警戒を強めている。
 関係者の話によると、このデカセギはマット・グロッソ州在住の男性。日本の企業が受け入れを承諾したため、パスポート、航空券など必需品を揃え、業者の自宅で待機していた。業者が目を離したすきに、行方をくらました。
 出発当日に、グアルーリョス空港に姿を見せず、後日、電話連絡をしても応答は無かったという。
 本人は国際線には乗り込まず、航空会社にチケットの払い戻し手続きを申し入れていた。取り扱い旅行社と交渉するよう、はねつけられた上、旅行社が代金を支払った業者に確認したため、断念した。
 デカセギは結局、金銭を手に入れることは出来なかった。だが、払い戻しの際の手数料が差し引かれたため、業者がいくばくかの損失を被ることになった。
 航空券に絡んだ詐欺事件ではこれまで、入社後に契約内容が違うといって退社。立て替えてもらった代金を踏み倒すケースが目立っていた。
 今回のようにブラジル国内が舞台になるのは初めてだという。「デカセギの質が悪化している」と関係者の間で懸念が広がり始めている。

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