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サンパウロ市でも制作発表=NHKドラマ「ハルとナツ」=ブラジル側も関心大

5月21日(金)

 NHK八十周年記念大型ドラマ「ハルとナツ~届かなかった手紙」のブラジルメディア向け発表会が二十日午前十一時から、ブルックリン区のブルーツリータワー・ホテルで行われ、取材関係者三十人以上が詰め掛けた。
 ロケは二十三日午後からカンピーナスの東山農場で開始されるが、十三日に訪伯した俳優たちはロケ地ですでにリハーサル中。少女時代の高倉ハル役を演じる斎藤奈々さん、ハルの父役の田村雄浩さん、ハルの母役の姿晴香ら七人だ。
 佐藤峰世監督は発表会で、「昨年から四回にわたってサンパウロ州や南マ州を回って、ロケ地の選考や移民してきた人々と、移住後のブラジルでの苦労話を参考のために聞いてきた。本当に移民してきた人たちの苦労を聞いて、胸がジーンきたことが、何回もあった。このドラマを通して、モノの豊富な日本に住んでいる日本人に、『本当に幸せですか』と問いかけてみたい」と語った。
 阿部康彦プロジューサーは「ドラマ製作の話は〇二年春に決定した。脚本は世界六十カ国で放送された『おしん』の脚本家橋田壽賀子さんで、『おしん』と同じぐらいの感動を与えるドラマにしたい」と抱負。
 田中健二演出デレクターは「日本人はアイルトン・セナやジッコはよく知っているが、教科書にも載ってないブラジル移民のことは知らない人がほとんど。ドラマで、ブラジルの事や移民の事実をしってほしい」とした。
 また、深井保夫美術担当デレクターは「リハーサルをしている俳優が、実際に自分が移民になったような気がする生活観のあるセットは、非常によくできており、ブラジル側美術担当のヤマザキ・ユリカさんには、お礼をいくら言っても言い切れない」と、舞台美術を絶賛した。
 これに対し、ヤマザキさんは「深井さんとの二人三脚でここまでやって来ました。こんなにほめてもらってやり甲斐がありますね」と、控えめにコメントした。
 カザ・ブランカ製作会社のアレックス・ピメンテウ製作部長は「すでにドラマでの経験はあるが、日本のNHKと一緒にドラマ製作できるなんて一生の思い出になる。一生懸命バックアップします」と強調。
 最後に田中ディレクターは「日本での撮影は開始されていますが、ブラジルでは二十三日から七月中旬までカンピーナスを中心に、アチバイヤ、マイリンポラン、サントスそれにサンパウロでロケをします。俳優協会に登録している日系俳優十三人と、オーデションに合格した非日系俳優十人の合計二十三人が準レギュラーとして参加する」と説明した。
 

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