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■ひとマチ点描■車椅子役者の音楽劇

5月26日(水)

 「車椅子だからといって、僕は手加減をしない。同じアーティストとして、健常者と同じレベルの演技を求める」。阪神大震災で半身不随になった前田シジネイさん(28、3世)をはじめ、十七人の障害者が演じる「Noturno」(夜間)特別版の演出をするデット・モンテネグロさん(41)は強調する。
 これは1991年から毎年上演されてきた人気ミュージカルだが、昨年12月から特別編として車椅子役者版が始まった。
 舞台中央に前田さんが現れたと思ったら突如暗転、2~3秒後には車椅子だけに。再び暗転してスポットライトがあたると、前田さんが何事もなかったかのように現れる。まるで手品のよう。光と音響効果、車椅子ゆえの動きの不自由さを逆手にとった見事な演出が次々に展開され、あっという間の1時間10分。
 最後には役者一人一人が一瞬ずつ登場し、人生の喜びをとてつもない笑顔で表現する。「五体満足な自分たちの怠惰な日常が情けなくなる」とは観劇者の一言。最後の公演が30日(日)にメトロのアナ・ローザ駅徒歩3分のテアトロ・ジアス・ゴメスで。入場料20レアル。住所はRua Domingo de Morais, 348、問い合わせは11・5575・7472。

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