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コラム 樹海

  「わたし観る人、聴く人」より「わたし〃やる〃人」のほうが圧倒的に多い感じのコロニアの女性たち。さきのNHKドラマ「ハルとナツ―届かなかった手紙」のエキストラ(その他大勢)募集の際も、このことが具体的にいかんなく示された。ドラマ出演となれば、やる人は限られるからいたし方ないが、応募ではずれた人も、しなかった人もドラマがつくられることに大きな関心を持っているのは確かだ▼来年(日本の)秋に放映されるこのドラマに対しては、現段階では当然のように、ブラジルのほうが日本よりも〃熱〃が上がっている。ブラジルでNHKを受信している日本人についていえば、視聴率は一〇〇%近くを記録するのは間違いない▼最近、北海道新聞の放送関係欄で小さな囲み記事を見た。「ブラジル移民題材に大作」とあった。無関心でないのを知ってほっとした。視聴者も少しは興味を持ってくれたかもしれない▼NHKの制作者によれば「ドラマは、女性(姉妹)二人の七十年を通し、今の日本人という大テーマを描く」。日本とブラジル、現代と過去を対比させ、後世に残る作品になる、と自信を見せる▼ロケで一カ月間、ブラジルに滞在する若手女優の米倉涼子が「ブラジル移民という見過ごしてはいけない歴史を知ることができ、ありがたい」語ったという▼実地を七十年余り体験してきている移民たちを納得させる考証はたいへんだろうが、よくぞしっかり描いてくれたというような作品にしてほしい。(神)

04/06/02

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