ホーム | 日系社会ニュース | 広島神楽”復活”へ=母県に助っ人現れる 面、衣装など新品プレゼント=若い舞い手を募集=08年リオの桧舞台めざす

広島神楽”復活”へ=母県に助っ人現れる 面、衣装など新品プレゼント=若い舞い手を募集=08年リオの桧舞台めざす

6月9日(水)

 衣装の老朽化やスタッフの減少に悩む広島神楽保存会(細川晃央会長)に助っ人が現われた。広島県内の民間二団体が、新品を誂えてプレゼントする考えがあることを県庁を通じて打診。これを受け、同保存会は、若手の舞い手獲得を目指して十日午前十一時から、サンパウロ市アクリマソン区タマンダレー街800番の広島文化センター(県人会館)で説明会を開く。中国ブロック五県人会に青年部員の参加を促してくれるように要請済み。移民百周年の二〇〇八年には、リオデジャネイロのカルナヴァナルに出場すると目標を掲げた。
 細川会長と大西博巳広島県人会会長は昨年十月、県庁や商工会議所などを回り、広島文化センター建設に協力を得たことについて、関係者に謝意を伝えた。
 訪日した機会を利用。神楽で使う鬼の面や衣装などの寄贈を呼び掛けた。これに対して、高宮神楽連絡協議会と美土里神楽連合会が、名乗りを挙げた。
 県が今年四月末に、県人会にファックスを送付。希望する品物の目録を提示するよう求めてきた。中古品には寄贈主の氏名が記されてあり、本人の了解を取りつけることが出来るかどうか分からないので、新品を贈る意向だという。 
 神楽保存会は七四年に立ち上げられ、移民七十五周年の八三年には、第一回移民船笠戸丸の山車に乗って、リオのカルナヴァルに出た。高齢化やデカセギなどで、二十人近くいたメンバーは今年に入って九人に減った。
 演目の代表格である「八岐大蛇(やまたのおろち)」は人数不足で舞えない状態。細川会長は「平均年齢は七十歳を越え、体力的にも厳しい」と顔をしかめる。 
 太鼓や「YOSAKOIソーラン」が日系コロニアでブームを呼ぶ中、郷土の伝統芸能に目を向けてもらおうと、細川会長は先ごろ、中国ブロックの代表者会議で日本側の好意を報告。青年部に協力を要請した。
 説明会ではビデオを流すなどして、神楽の由来や舞い方、太鼓の叩き方などを紹介する。広島県人会事務局は「中国五県以外の人や非日系人からの問い合わせもきています」と話し、反響は大きいようだ。
 移民百周年の記念に、リオのカルナヴァルに百人規模で出場するのが大きな夢。それまで、数回、サンパウロのカルナヴァルで腕試しをしたいという。   細川会長は近いうちに訪日し、関係者と詳細を調整する。
 問い合わせ電話番号=11・3207・5476(広島県人会)
 

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