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伯日移住者協会=100年祭に1万本植樹=戦後50周年委を解散

10月5日(火)

 「記念誌の発行をもって、戦後移住五十周年記念祭実行委員会は解散をさせて頂きます――」。八日、午後七時から北海道協会会館で戦後移住五十周年記念誌『ブラジル日本移民 戦後移住の50年』発刊パーティーが行われ、同委員会実行委員長兼ブラジル・ニッポン移住者協会の小瀬真澄会長は、そう挨拶の中で委員会解散を正式に発表した。
 同委員会は〇二年八月二十九日に設立された。「いろいろな批判のある中で発足しました」と、初代委員長の中沢宏一さんは振り返る。「日本を訪れ、関係機関をまわった際も、誰からも賛同を得ることが出来ず、四面楚歌だった」。
 しかし、その中でも戦後移住五十年の意義を訴え続け、昨年の記念式典を成功させ、今回の記念誌発刊にもこぎ着けた。
 ブラジル・ニッポン移住者協会は、寄付の受け入れなど会計処理を明確にする必要性が生じたことから一月遅れて同委員会の上部組織として発足。五十周年祭の記念事業の一環として、サクラやイッペーなどの植樹事業を行ってきた。
 今後も、同協会は「環境と日伯交流」を柱に、植樹を通じて日本との交流を深め、環境問題への取り組みを進めて行く方針だ。
 四年後の百年祭までに一万本の植樹を計画しており、八日には同協会の高橋一水副会長が日本を訪れ、植樹の諸関係団体と話合いを行い、一万本実現に向けて具体案を模索する予定だ。
 同協会の年会費は五十レアル、また植樹事業への協力費は一本百レアルとなっており、会員や協力者にはこの記念誌が贈られる。
 パーティーには予想を大幅に上回る二百三十人が参加。当初用意していたテーブル席だけでは足らず、臨時に設けた椅子に座る人も多く見られた。
 会場には戦前、戦後の記録写真が飾られ、戦前のものとしては三〇年代の北パラナ初期開拓などの白黒写真、戦後は南米産業開発青年隊やコチア青年移住者のカラー写真が目立った。
 「この記念誌が出来たことによって、戦前戦後の移住の歴史を一貫して見ることが出来るようになった」と石田仁宏サンパウロ総領事は賛辞の言葉を送った。
 JICAブラジル事務所の小松雹玄所長が『環境分野への技術協力とこれからの日系人支援』と題する記念講演を行い、日系諸団体の自立の必要性に触れながら、今後は「草の根無償資金を利用して日本のNGOなどと新しい活動をしていけばいいのではないか」と提案した。
 「戦後移住者が今回(五十周年)の経験を生かし、百周年に参加していくことを強く望みます」と中沢さんは力を込めた。
 同協会への入会などは、電話11・3276 

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