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山川家から市長2人=パラナ州北西部の農業都市で=ダブル当選に沸く地元日系

10月8日(金)

 先の統一選挙でパラナ州北西部のパラナヴァイ市長に、日系二世の山川マウリシオさん(42、PPS)が初当選を果たした。その二十キロ離れたアマポラン市では、マウリシオさんの兄嫁で二世の山川文子テレジーニャさん(51、PPS)が再選。地元日系社会は山川ファミリーのダブル当選に沸いている。
 マンジョッカ製粉工場を経営するマウリシオさんは有効投票の五二%を獲得して次期市長に選ばれた。衰退の激しい人口八万人の同市を西北部の中心都市として再び発展させたいと意気込む。アグロ・ビジネス関係工場の誘致や、サンタ・カーザ病院の再生・活性化、治安回復などを目論む。近郊都市と連携し、同市を中心に地域全体の活性化を狙っている。
 電話取材に応じたマウリシオさんの姉リーラ・ヒサエさんは、「弟は勉強しないのに、学校の成績は抜群だった。姉の私がずいぶん勉強を教えてもらったもの。大学は農学部を卒業。コーヒー栽培していた父親に、これからはマンジョッカの時代がくると転作させて、大儲けした程の先見の明もあった」とし、「皆から好かれるカリスマ性をもっている」とも語る。
 一方のテレジーニャさんは前回選挙では四票差で敗れたが、前市長の汚職発覚で今年五月から市長を務めている。今選挙では六六%の圧倒的な支持があった。実はテレジーニャさんの夫ノブユキさんはマウリシオさんの兄。八九年から九三年まで同じくアマポラン市長を務めたが、六年前に心臓発作で死亡している。
 人口五千人の同市はマンジョッカや、蔬菜類の栽培を手掛ける小規模農家が多く、失業率は三〇%以上。収穫時の臨時日雇いなどの仕事がほとんどだ。テレジーニャさんは小規模農家活性化のため、農業技師による講習会や栽培指導、パラナ北西部に野菜や果物を供給する「グリーン地帯プロジェクト」を立ち上げると公約。低所得層の主婦らを対象に、手工芸品製作、洋裁などの家内工業を促進するプランもある。また、市役所のモラル改革と汚職一掃に取り組むという。 
 テレジーニャさんの義理の弟トキオさんは「子供四人の母親で、汚職追放をスローガンに掲げるくらいに、曲がったことが嫌いな性格。リーダーシップを発揮してクリーンな政治をやってくれると確信している」とエールを贈る。

 

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