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コラム オーリャ!

  またか、と思う。また欧州の作家かと。七日発表されたノーベル文学賞受賞者のことだ。今年はオーストリアの女性作家だった。大江健三郎が選ばれたのが十年前。以後、欧米作家による独占状況が続いている。
 この間、南アフリカ出身者が受賞したこともあったが英語圏。非欧米語を母語とする作家は翻訳など障壁があり、栄光への道のりは案外遠い。その点、楽譜には国境や国籍がないのがいい。
 休みに、イビラプエラ公園で国際的なブラジル人ピアノ奏者ネルソン・フレイレの演奏を楽しんだ。州交響楽団との共演でチャイコフスキー。沼を泳ぐアヒルがシベリアの白鳥に、沼にかかる太鼓橋はパリの、モネが絵に描いたそれに見えてくるほど素晴らしかった。
 言葉に携わる職業の身には、国や文化、時代さえも自在に行き来する魔術をもつ、音楽家の存在がうらやましい。(大)

04/10/12

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