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コラム 樹海

  今年のリオ州日伯文化体育連盟の敬老会に日本企業の駐在員(リオ商工会議所会頭)が招かれ、あいさつを述べた。「特に一世の方々から、糊口をしのぐためだけでなく、生きる目的として、勤勉に働くことの大切さを学んだ」「日系社会の若者に日本人の心・志を継承していただきたい」▼全盛期のころ、二千五百人の会員を擁したロンドリーナ日伯文化協会(アセル)が、先月、協会本館、野球場、プール、テニスコートを売却。人的組織は残されているが、「家」を失った▼五〇年代、売却した「家」が建っている所がカフェザールだったころ、一世を中心とした日本人会員は、総出の勤労奉仕で子孫のために野球場を開いたのだった▼売却が決まるまで行き詰まっていても、子孫たちは、協会内グループの活動(テニス、水泳、カラオケなど)に熱心ではあったが、会館の電気代、水道代など維持費の支払いには無関心だった。二千五百人の会員は二百五十人(会費納入者)と減少、特権会員(会費免除者)が四百人になっていた▼娯楽が多様化、協会活動に参加する魅力がない、会費に対する見返りがない、だから新規会員加入がない、こうして、活動・運営資金難に陥り、本館売却に至った▼組織は残ったが、ロンドリーナ市内の独立他団体と協調、合併をしなければ、日系社会の活動そのものが衰微するという見通しがある。開拓者一世は、子孫を指導できなかったのか。指導が遅れたのか。時代の波に抗しきれなかったのか。 (神)

04/12/8

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