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全県人会のデータ 冊子に=県連のJICA青年ボランティアがまとめる=メールで情報発信も検討

1月5日(水)

 全県人会のデータや動きをひとめで――。ブラジル日本都道府県人会連合会にJICAの青年ボランティアとして派遣されている長谷川豊さん(25)がこのほど、四十三県人会を対象に会長名や会館の住所、母県との交流など様々な項目について調査を実施。「ブラジル県連」と題した冊子としてまとめた。三ヶ月間にわたって各県人会長らに聞き取り調査を行った長谷川さんは「ほかの県人会のことを知るために活用して頂きたい」と話す。

 県連が持つホームページを充実させるには、各県人会を詳しく知る必要がある、と考えた長谷川さんは昨年八月から十一月にかけて、四十三県人会を全て訪問。基本的には県人会長から直接、話を聞くとの方向で調査を進めた。
 県人会長名や会館の住所、電話での応対時間などごく基本的なデータはもちろんのこと、ブロック別に行われているゲートボール大会やカラオケ大会の日程、また一年を通じて各県人会が「定番」行事として
行っている様々なイベントをカレンダー化した。
 さらに日本とのつながりを考える上では欠かせない各種交流事業についても掲載。県費留学生・研修生制度の概要だけでなく、群馬県の「ジュニアリーダー交流」や兵庫県の「農業高校生受け入れ事業」など十四県人会が独自に母県と行っている交流についても詳しく記した。
 県人会関係者だけでなく、日本からの旅行者などからも問合せがあるという宿泊施設のある県人会についても宿泊施設を持つ県人会▽定員▽県人子弟以外の利用の不可▽料金――を掲載。将来的には県人会のホームページで空き部屋情報なども伝えていく方針だという。
 当初はホームページを充実を目指し始めた調査だが、各県人会長らと膝を突き合わせて話を聞くことで県連や各県人会の課題も見えてきたと長谷川さん。
 ある県人会で青年部を中心に高齢者の無料健康診断を実施していることを受け、「高齢者が憩いを求め集う県人会を、若者らがボランティア活動をする場所にしては」と個人的に提案する。
 従来、県人会から会報などの提供を受けてきた県連だが、県連からの発信は少なかった。今回の調査結果で、三十四県人会がパソコンを所有、さらに二十二県人会がEメールを持っていることから長谷川さんは近く、メールを通じた情報発信の充実も検討中だ。「執行部会で決まったことや代表者会議の中身を速やかに伝えたい。また、母県のニュースなども盛り込めたら」と意気込みを見せる。
 冊子は全三十三ページで、各県人会に一部は配布済み。新たに希望する人は七レアルで購入可。問合せは県連(11・3277・8569)へ。