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リュージュの溝口選手が=練習中に事故、昏睡状態

2月2日(水)

 氷で出来たコースをそりで滑走する競技リュージュの五輪選手で日系三世の溝口レナト(29)が、来年の冬季五輪の会場で練習中に頭部に重傷を負い、昏睡状態になっていることがわかった。フォーリャ紙などブラジル各紙が報じている。
 溝口選手は長野県出身の祖母を持ち、一九九九年にデカセギ先の長野県でリュージュ競技を始めた。幼い頃に両親が離婚しており、離れ離れとなった非日系の母親の消息を知るには自らが五輪に出場するのが一番、だと考えたのがきっかけだった。
 二〇〇二年のソルトレークシティー五輪に初出場し、男子一人乗りでは四十六位に終わったものの、テレビを見ていた母親から連絡を受け、二十三年ぶりに対面。溝口選手は「四年後の五輪で上位に入り、その次にはメダルを」と意気込んで練習に励んでいた。
 事故は一月三十日に、来年開かれるトリノ五輪の会場で起きた。最高時速百四十キロ、体感速度は実にその倍にもなるリュージュで、溝口選手はコース終盤のカーブで頭を打ち、同市内の病院にヘリコプターで搬送された。フォーリャ紙によると同選手はそりのバランスを崩れたための事故で、当時百十キロの速度が出ていたという。頭の中にたまった血液を取り除く手術を受けたが、昏睡状態が続いている。
 溝口選手は昨年のブラジル五輪委員会が選定するブラジル五輪大賞でも、部門賞を受賞していた。

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