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コラム 樹海

 世には「コーヒー道」なるものがあるらしい。コーヒーの豆はキリマンジェロに尽きるからブルー・マウンテン派まで幅広く、焙煎論まで議論は尽きない。ドリップがいいと誰かが言えば、いやサイフォンが最高と譲らない。砂糖を溢れるほど入れる人もいればブラックを好む一派。あの永井荷風も、この道の通だったらしく「氷で冷却すれば香気は全く消え失せてしまう」と書くが、アイス・コーヒーも捨て難く炎暑の夏には、なかなかに美味い▼これは―日本独自のものかと思っていたのだが、近ごろはブラジルにもある。編集局の近くに「赤べこ」なる御菓子とコーヒーの店があり繁盛している。ここでも置いているのだが、天真爛漫な若い店主によると「まあまあの人気ですね」。蛇足ながら「赤べこ」は、福島は会津特産の張り子で幼児の成長を願う縁起物であり「三春駒」や「相馬野馬追い」と、この地域には何故か馬が多い▼閑話休題―。ひと仕事終わってからのコーヒー一杯は疲れを飛ばし真に心地がいい。だが―である。このコーヒーが肝臓にも大変な効能があるらしい。日本の厚労省が調査研究したところ、一日に一杯を毎日飲む人の肝臓ガン発生率は、飲まない人の半分という結果がでた。これが毎日五杯飲むと四分の一とさらに低くなる▼驚くべき話だが10年にわたる調査であり決していい加減なものではない。尤も、何が効くのかは、はっきりしない。コーヒーに含まれる独自の成分が肝臓ガンの発生を抑えるらしいのだが、兎にも角にも大いにコーヒーを飲み頑張りたい。   (遯)

05/2/22

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