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コラム 樹海

 来年のことを言えば鬼がわらう――。否、来年のことには違いないけれど、つぎの話は別。やっと『在外投票が、地元の公館で果たせることになる』のだ。もっと厳密にいうならSP(サンパウロ)総領事館管内に住む有権者にとり朗報といえる。他の在伯公館では、すでに実施済みだし別に目新しいことではない。しかし不便を耐え忍んできた多くの有権者にしてみれば、やれやれの感がつよい▼海外の有権者は郵便投票のほかに公館投票もできる。それがSP総領事館管内に限って専ら公平を欠く方式がとられた。ややこしい郵便投票を余儀なくされ、不満は募る一方。本家本元の選挙に対するいい加減さを憂い、選挙行政の信頼感は薄れていった。そんな折り、来年六月の参議院議員選挙から現地(公館)投票が可能となったのだ▼世界にある日本国公館の中で最も多い一万三千人の有権者を抱えるSP総領事館でありながら有権者対策は後回しにされてきた。だが、五月の法改正で先伸ばしはできなくなる。したがい有権者は救われよう。なにはともあれ、来年六月を目標に矢は放たれた。ここはひとつSP総領事館のみに手間をかけさせず有権者側もできる範囲で全面協力するよう提案しておきたい▼最も重要なのは投票当日の混乱を避けることにある。投票方法などに各人が万全を期す姿勢をとりたいもの。加えて「清き一票」の投票率を海外最高とする大きな夢があってよいのではないか。   (田)

03/09/10

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