ホーム | 日系社会ニュース | 日本語環境もっと作ろう=ノロエステ日本語普及会総会で末永会長=傘下15校の教師らを前に

日本語環境もっと作ろう=ノロエステ日本語普及会総会で末永会長=傘下15校の教師らを前に

3月8日(火)

 ノロエステ日本語普及会(末永建郎会長)は、第三十三回定期総会を六日午前九時から、ビリグイ日伯文化協会会館で開いた。普及会傘下十五校の関係者約百人が出席した。
 開会に先立ち、ノロエステの日本語普及に尽力した物故者に一分間の黙祷がささげられた。
 今年で二期四年目を迎える末永会長は、開会の言葉のなかで今までの普及会の取り組みを振り返り、これからの目標として「日本語環境を作ることが大事」と締めくくった。
 来賓としてノロエステ連合日伯文化協会の白石一資会長、ブラジル日本文化協会の吉岡黎明副会長があいさつした。
 現在、弓場農場でフィールドワークを行っている関西大学院生の渡辺伸勝さんによる「世代を超えて継承される日本語――弓場農場の言語環境の調査から提言できること」が発表された。講演後には、活発な意見交換が行われた。
 続いて、ミランドポリス高岡日語校の角谷壮績さんの「初めて日本語を学習する子どものために――最初の十時間」と題した記念講演は授業を模した形でも行われ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
 昼食をはさんだ午後、議長に選出された第一アリアンサ日本語学校の遊川章宏さんにより、議事が進行された。
 〇四年度の普及会本部の会計においては、二万二千十六レアルの収入に対し、支出が一万二千七百四十八レアルだったことが報告された。続いて、各地区の事業、会計報告、本年度の事業計画も検討された。
 末永会長は毎年八月に実施されている文化月間への参加を呼びかけ、新しい試みとして「忍術のデモンストレーションをしては」と提案した。  
 なお、普及会傘下十五校の会費割り当てが発表、検討された。
 二年間の派遣を終え、三月に帰国するJICA青年ボランティアの遊川さん(第一アリアンサ日本語学校)と神田佐知さん(バウルー日本語学校)が教師報告としてあいさつ。
 遊川さんは「色々な行事があって、あっという間の二年間だった。とても楽しかった、と思えるのが幸せ」、神田さんは「現地教師の育成に頑張ってきた。ノロエステの先生方と知り合えたのもいい経験だった」とそれぞれの派遣期間を振り返った。
 富山県高岡市から派遣されている角谷さんも帰国するため、末永会長から三人に記念品が手渡された。会場からは大きな拍手が送られた。
 総会後、出席した各地方の教師たちは、軽食をつまみながら交流を深めていた。

image_print