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沖縄県人会総会開かれる=全伯から120人が出席

3月8日(火)

 ブラジル沖縄県人会の第六十八回定期総会が二月二十七日午前十時から同会館大サロンで行われ、遠くはブラジリア、カンポ・グランデ、マリリア支部から約百二十人が出席して「どのように二・三世会員を増やすか」「支部と本部の関係を緊密化させるには」など熱心に討議が行われた。
 最初に、四年間を務め上げた宮城調智会長がその間の記念行事などを振り返り、「百周年は世界に影響を与える大事業になる。新しい理事はしっかり頑張ってほしい」と激励した。
 〇四年度の会務報告では、従来の十二行事に加え、ウチナーぐち・ウチナ芝居大会などの二つを入れた十四行事が報告された。収支決算報告では歳入三十六万三千五百七十一レアル(〇三年度からの繰入金は七万三千六百二十二レアル)で、歳出は二十四万七千四十八レアルと〇五年度への繰越金が前年より多い十一万六千五百二十二レアルとなったことが報告され、拍手で承認された。
 質疑応答で、カンポ・グランデ支部長から「新役員には全伯ウチナンチューの統合をお願いしたい。バス十三時間は遠いが、本部が率先して交流に来てくれることを支部一同望んでいる」と要望した。ブラジリア支部長からも「首都には県系人は少ないが、連邦政府の重責を担っている二世が多い」と指摘した。
 昼食は協和婦人会による沖縄ソバが振舞われ、〃お袋の味〃に舌鼓を打った。
 午後は〇五年度行事予定の承認、予算案の審議・承認などが行われた。
 歳入・歳出とも三十六万三千四十一レアルと前年並み。中でも歳出では、白アリ被害のひどい会館補修や、高齢者からの度重なる要望にも関わらず稼動していないエレベーター問題の解決などに六万レアルの予算が重点配分された。その他、テレフォニカの電話番号変更を待って発行される予定の会員住所録作成費に一万レアル、発刊が遅れている協和誌制作費に三万六千レアルが計上されている点などが注目される。
 会員は二千八百人いるが昨年会費を払ったのが二千二百六十六人だったことから、サントアンドレ支部の宮城あきらさんは「どのように会員を増やすのか、具体策が聞こえてこない。支部会員ではあるが本部には入らない人も多い。各支部でも会員減に悩んでいる。本部でも真剣に検討してほしい」などと要望した。
 和太鼓や日語教育など独自の若者向け取り組みをするカ・グランデ支部からも「心の中のウチナンチューを三、四世に伝えるためにはどうしたらいいか。これが最大の問題」と提起し、各支部から同様の心配をする意見が次々に語られた。
 与儀昭雄新会長は「現状を深刻に受けとめ、支部長らを集めて検討していきたい」と表明した。
 さらにサントアンドレ支部から「本部主催行事が多すぎて支部行事と重なり支障が起きている」「会員住所録を早く発行してほしい」「沖縄県南米連絡事務所設置を諦めずに母県に提案し続けてほしい」「県人百周年事業をどうするか、支部アンケート調査を実施したらどうか」が提案され、午後六時まで真剣に討議された。
 〇四年定期総会で公表された沖縄文化センター(ジアデマ)との合併問題に進展はなく、新執行部に委ねられることになった。

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