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コチア農学校が好きに=ネットメロン生育順調=東大生5人、同世代と交流

3月11日(金)

 サンパウロ市近郊のジャカレイ市にあるコチア農業学校で、去る二月四日と十四日に定植された日本種のネットメロン、マリアージュとロックスター、二千三百本、が順調に育っている。すでに、人工受粉が終わり、小さな実が見えるようになった。五月一日に同校で開催される「第四回メロン祭り」に向かって玉が大きく育つだけだ。
 世界八十四の国と地域に組織網を持つ学生団体アイセック(AIESEC)の日本支部・東京大学委員会のメンバー五人(川崎健太・栃木県、坂井健吾・東京都、田村圭香・広島県、村山由佳・北海道、山中美樹・福岡県)が去る五日、コチア農学校を訪問して、同校で実習に励んでいる南米諸国の農業研修生たちと一緒にネットメロンの生育状況を見聞した。
 マリアージュは果肉が濃いサーモンピンク色の最新品種だ。学校でロックスターが栽培されるのは三年目で、果肉が淡緑色ながら、さわやかな歯応えがあり、その美味しさはすでに日系コロニアで定着している。両品種とも奈良県橿原市の種苗会社が誇りをもって市場に出しているネットメロンだ。
 南米諸国からの研修生たちはオイスカ・ブラジル総局(高木ラウル会長)が受け入れている。七期生が二月中旬に学校に到着しており、六期生と合わせ、今は五十人近くの農業後継者たちが寮生活をしながら研修に励んでいる。研修プロジェクトはワシントンに本部のある米州開発銀行(BID)の無償資金協力を受けている。指導員の中核を担っているのは菅原エドワルドさんと佐々木エジガルドさんで、二人とも日系二世だ。
 日本は、BIDの域外加盟国の中で最大の拠出国となっている。四月には沖縄でBIDの年次総会が開催される。開催国の日本は、中南米とアジア太平洋諸国の仲介役を果たす重要な期待を担っている。
 コチア農学校にいる南米研修生たちと日本からの学生たちは同世代とあって、限られた時間ながら、言葉や習慣の違いを越えた交流を活発に行い、相互理解を深めたようだ。「ブラジルが大好きになった。コチア農業学校が大好きになった」と五人は訪問台帳に連名で記帳した。
 絞り立ての牛乳で研修生たちが加工したチーズとヨーグルトも「チョ-(超)おいしい!」と率直な感想を述べていた。これらの加工食品もメロン祭りに出展されるという。

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