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東西南北

3月16日(水)

 コロル政権により九〇年三月十六日に預金凍結令が公布されてから十年になる。同令によって倒産に追い込まれた企業や家庭崩壊、一家離散の悲劇に至った例は枚挙にいとまがない。十年経った今も過去の傷が癒えず、恨み心頭に達する者が多い。草案者ゼリア・カルドーゾ元財務相は現在、ニューヨークで悠々自適の生活。同令は痛みを伴ったが、財政と通貨政策で目的は達した。インフレ沈静も、この荒療治があったからできたという。
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 サンパウロ州法務局監察課は十四日、州立未成年支援財団(FEBEM)の更生施設での相次ぐ暴動と集団脱走の事態収拾のため、フランコ・ダ・ロッシャ収容所の危険人物と目される二百四十人を、タウバテ市にある成人用のピラニョン刑務所へ移送することを決定した。これは児童憲章一二三号と一八五号に違反する。これまでも再々、未成年者の刑務所送りが行われ、裁判所から返還命令があった。
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 パパを撃たないで!お願いだから―。最後の言葉を残してジャコ・ペレイラくん(8)は、撃たれて床に横たわった父親の上に覆い被さった時、首を二発撃たれて死亡した。事件は十二日夕方、大サンパウロ市圏カイエイラス市で発生。銃を持った男が家に侵入、父親と叔父を撃ち、その直後に少年も撃たれた。二人は腹部などを負傷したが無事。犯人と犯行の動機は不明。
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 飲酒運転で事故を起こしオートバイ運転者を死亡させた、サンパウロ州警察のクラーヴォ聴聞官が十四日午後、同州知事に更迭された。同官は十三日夜、サンセバスチアン市のリオ=サントス線で車を対抗車線に侵入させオートバイと衝突。昼食時にコップ三杯のビールしか飲んでいないと釈明したが、警察署での検査で飲酒運転と判明した。同官は一月に黒人ウエイターの応対を拒否し、人種差別の疑いで取調べを受けたことがある。

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