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文協を考える会、小川代表=上原氏支持を表明=会長選挙

4月1日(金)

 「上原先生を応援します」。文協を考える会代表、文協広報担当理事の小川彰夫さん(62、二世)は三月三十一日午前、今回の文協役員選挙に対する正式な立場を表明した。
 二百人ともいわれる同考える会を組織し、昨年暮れまでに百人以上が文協会員になった。現執行部への批判勢力として一連の動きに先鞭をつけた〃台風の目〃だったが、他候補が派手に出馬宣言するなか、公には沈黙を保ってきた。
 「僕自身が立候補するつもりは最初からありませんでした。もっと文協や百周年について関心を持ってもらいたいという一心で会を組織し、一石を投じました」と初心を振り返る。
 シャッパが三つという異例の事態になりそうな今回の文協会長選。そのきっかけは、同考える会が対抗シャッパをたてるかもしれないとの話(二月十五日付け)から始まった、といっても過言ではない。
 毎日目まぐるしく状況が移り変わる。三月二十八日の上原文協会長の記者会見で、同考える会が最も問題にしてきた「ヴィラ・レオポルジーナ案」の一時凍結が発表された。
 「僕の考えでは、もうヴィラ・レオポルジーナ案が再浮上することはないと思います。コロニアの意識調査を専門の会社に依頼するというのも、無駄な出費になるだけ。そう考えた上で、幸啓先生とやっていくことにしました」との決意を明らかにした。
 「何か建てるならバイロ・ジャポネース(日本人街)のリベルダーデ。でも建物が本当に必要なのか、他にもっといいアイデアはないのか、もう一回考えてもいいと思う」。
 翌二十九日、上原文協会長、渡部和夫祭典協会補佐、大竹ルイ建築家、上野リカルドさん(上野アントニオさんの子息)らと共に、池崎博文さんらが最近購入したアチカ出版のあるの土地を視察した。日伯総合センターをここに建てることを視野に入れた見学だったという。この場で小川さんは、上原支持の立場を明確にした。
 「今までのようにエライ人たちが決めるのでなく、みんなの意見を聞いて、コムニダーデの気持ちをまとめるような文協であってほしい。日系社会全体の指揮者になってほしい。それができるはずだと思います」
 考える会は今後どうなるのか。「これからも、必要に応じて文協のあり方を問い直す団体として存続し続けていきたい。民主的な議論が生まれるためには、シャッパが一つでは意味がない。〇七年にも対抗シャッパが生まれるでしょう。そうして、あるべき姿へ落ち着いていくのではないでしょうか」。
 今回の選挙に対して「人を選ぶのでなく、日系社会の将来の方向性を選んでほしい」と訴えた。

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