ホーム | 日系社会ニュース | 「日本週間」重要な位置付け=マリンガ文協 日本紹介、広報に最適=デカセギ帰りを取り込みたい=「支援部」立ち上げる

「日本週間」重要な位置付け=マリンガ文協 日本紹介、広報に最適=デカセギ帰りを取り込みたい=「支援部」立ち上げる

4月6日(水)

 マリンガ文化体育協会(矢野清会長)は、さきの総会で矢野会長を四選、特に日本週間を通じて「日本」を会員や非日系人に知らせること、デカセギ支援、帰国デカセギとの〃協調〃を今年度の課題として掲げた。大きな隣町ロンドリーナの文協(アセル)が、財政難で会館や施設を売却したことに関し、矢野会長と植田憲司顧問は「いろいろ難しいことが山積しているが、わたしたちのところは、その点大丈夫」と自信を見せた。
 マリンガおよび周辺の日系人家族はおよそ三千家族。うち八百家族が、現在、文協の会員。同文協には、およそ四十の活動組織があるが、それを「部」として、すべて文協の本体の傘下におさめている。例えば、「婦人会」でなく「文協婦人部」。「部」がイベントをして資金を獲得すれば、それは本体に入る仕組み。会費収入に多くをのぞめないので、それを徹底させているという。
 矢野会長、植田顧問が重点事業にあげたのは「日本普及」。一年を通じ、あらゆる機会をとらえて、広報活動をしようとしている、もっとも力をいれているのは、八月六日から十六日まで開催する「日本週間」。会場に入場するおよそ十万人(延べ)に対し、日本に関する展示、パフォーマンスを見せる。ひな祭り、日本舞踊、盆踊りなどは、考えている以上に有効な広報になるという。
 新年から始まる恒例行事、新年拝賀式、先没者慰霊祭には、極力子弟たち、非日系人を参加させるよう仕向けたい、といっている。興味がある自分の「カラオケ」には、百レアル抵抗なく出す人も、ほかへの出費はしぶる。日本語教育の振興には、こうした実態への歯止めが必要のようである。日本語習得の場や日本語お話し大会への参加は、なんとしてでも強く促したい―矢野会長たちの切なる思いだ。
 デカセギの増加は、コロニアの活性化、文協活動にとって大きな打撃だが、それはすでに織り込みずみ。文協内部組織としてデカセギ支援部をつくっている。支援部が要請してCIATE(国外就労者情報援護センター)の職員に出張してもらい、事前準備をしっかり整えてもらう。帰国後、資金をつくってきて事業を始めたり、不動産を購入しようとする人たちに正しい情報を提供してあげる。そうした仕事をする。
 往々にして、デカセギ帰りは、ねらっている業者にだまされ、〃高い買い物〃をしているという。事業に失敗すれば、またデカセギをするという悪循環が生じている。これを断ち切るねらいがある。
 しかし、帰国デカセギは、文協活動に戻ったり、近づいたりしない傾向にあるのも現実。どうしたら、互いに近寄れるか、支援部の課題でもある。

image_print