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コラム 樹海

 ブラジルの日本人、特に中高年の域に入っている人たちは本当に「真面目」(まじめ)だと思う▼数カ月前頃だったか、社会部の外回り記者が「セードゥラ・デ・イデンチダーデ・デ・エストランジェイロ」(外国人身分証明書)の有効期限が来る十二月に切れる日本人が多い、切り替えはどうなるのだろうか、以前のように、しかるべき団体がまとめて切り替え手続きの面倒をみてくれるのだろうか、心配している――という話を編集部内に持ち込むようになった▼本紙既報のように、結論をいえば、六十歳以上の外国人の、現在所持している証明書は、有効期限がたとい切れていても有効である。そのことは、九七年十月十六日付の連邦官報に記されており、援協の弁護士も確認した。官報に出ている旨、編集部に教えて、コピーまで送ってくれたのは、本紙の熱心な読者たちだった▼証明書の期限が切れてしまう、どうしよう、と心配した多数の人たちは、七年前の官報掲載を知らなかったわけだ。迂闊(うかつ)だとはいえない。官報など、日常接しない一般市民は知らなくて当然だ▼ブラジル人流?になじめば、証明書の切り替えなどは、ブラジル政府がそれを言い出してから行動を起こせばいいと言うだろう。真面目な人、あるいは過去に苦汁をなめた人はそうではない。外国に住む者として、決められた期限を守りたい、〃養国〃に対して申し訳ない、といった気持が先に立つ。日本人移民はそうして百年も過ごしてきたのだ。(神)

05/4/8

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