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東西南北

4月15日(金)

 一九五七年にアジアで猛威を奮い四百万人の死者を出したインフルエンザウイルスA/H2N2のサンプルを、十八カ国三千七百カ所の研究機関へ誤送したことを米国の病理医科大が明らかにした。誤送された機関の中にサンパウロ市のアインシュタイン病院とフレウリ研究所がある。同病院は十二日、完全に処分したことを公文書で発表。五八年以後生まれた人は、同ウイルスの抗体がないため感染すると危険らしい。
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 サンパウロ市東部ヴィラ・プルデンテ区で十二日夜、家の前の歩道で遊んでいた九歳の少女が脊椎に流れ弾を受け、下半身不随となった。銃撃しながら通りに出た男は、街灯のない暗い現場をやすやすと逃亡。先生ごっこで先生役を務めた少女は、他の友人に宿題をするよう家に帰らせ、一人になった直後、被害に遭った。
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 セーラサンパウロ市長は十五日、二〇〇六年以降のゴミ税廃止と、公共の照明設備がない通りの住民への街灯税の免税を定めた条例案を市議会に提出する。年間二億レアルに上る減収分は、市の予算を管理する銀行の入札などで費用を節減し、補てんする計画。
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 十三日夜にモルンビー競技場で行われたリベルタドーレス杯のサンパウロ対キルメス(アルゼンチン)の試合中、口論になったサンパウロのグラフィッチとキルメスのデサバートが退場処分となった。きっかけはデサバートが「猿、黒人野郎」などとグラフィッチを挑発したこと。欧州を始め、黒人選手に対する人種差別が広がっている中、事態を重く見たサンパウロの顧問弁護士は人種差別を禁じた憲法違反として当局に告発。デサバートは連行され警察で取り調べを受けた。グラフィッチ個人を対象にした言葉と判断されれば軽微な処罰で済むが、黒人全体を侮辱したと判断されると一年から三年程度の投獄になる可能性もあるという。

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