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コラム 樹海

 比ミンダナオ島で元日本兵2人の記事に驚いた読者は多い。日本大使館や厚労省の職員も現地に向かったのだが、具体的で確実な情報は一つもない。どうやら―元日本兵との仲介をした日本人男性の巧妙な「罠」に大使館などが躍らされたような気がする。第一、生存し帰国を希望しているとされた元中隊長の山川吉雄中尉と上等兵だった中内続喜さんの年齢が87歳と85歳。軍医の桜井令一さんは93歳▼あの灼熱の島でどのような暮らしをしていたのか不明だけれども、毎日が苛酷な生活だったと思える。そんな環境であの年齢は難しいのではないか。戦後60年も生きた力は評価するにしても、この辺りに仲介者の「虚偽」がありそうだし、情報を提供するのを条件にした金銭目的が目的だったとも受けとれる。勿論、お二人と桜井軍医の生存は確認されてはいなく、あるいは元気にしているかもしれない▼だが、貿易業かが本業と称する仲介人の言動が曖昧模糊なのもおかしい。フィリピン大統領府からマニラ都市圏の開発工事にからむ2億二千万ドルの契約を受注したとか話しているらしが、真偽の方は謎に満ちている。しかも、山川、中内両氏とも直接は会ってはいないなど疑問が重なる▼大使館側も、この状態ではいけないとミンダナオ島から一時的に引き上げることにしたが、それでも仲介男は「ああだ―こうだ」と口走っているらしい。日本政府によると、あの南方には今も15人の未帰還者がいるそうだし、桜井元軍医や山川中尉と中内上等兵も元気で生存を信じ晴れての帰国を祈りたい。(遯)

05/5/31

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