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コラム 樹海

 あす「移民の日」である。六〇年代のなかば、ブラジル日本文化協会の理事会の席上、故山本勝造理事が発案、承認を受け、コロニアで〃制定〃された記念日だ。政府公認はずーと後になってからだ▼記念日の趣旨は、笠戸丸移民がサントスに着港した日を忘れず、先駆者の労苦を偲び、今日の在ることを感謝し、日系人一人ひとりが、ブラジルという公共の発展に寄与できることを考え、一方で自身の充実のために、新たに取り組もうとする気持を養う―の辺りか▼ころは初冬。空気が乾いて気持ちがいい。毎年、文協、県連が主催して先亡者慰霊のミサ、法要が行われる。だが、催しへの参加者は少なくなった、との主催側の嘆きは尽きない▼今年は土曜日にあたり、絶好の行楽日和。他団体の行事は、時間がかち合わないけれども、相当に多い。日本語学校の文化祭、敬老会、寺の詠讃歌の練習会、二世三世が活動の中心にいる地域文協ではフェイジョアーダ会、そして、そうした文協も独自に移民記念会を開く。つまり、それぞれが、やっている▼ブラジル日本文化協会の主催行事への参加が減った、少ないなどといっていられない。そうなったのは至極当たり前、と割り切って考えなければならない。移民の日が定まったころの、カテドラルがほぼいっぱいになる光景などもうあるまい▼しかし、である。宗教的な言い方になるが、「移民の日」は、コロニアの構成員それぞれの胸の中にあり、それぞれが先人の苦労を偲ぶのだ、と考えたい。        (神)

05/6/17

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