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日本祭りを満喫=3日間で10万人=開会式には副知事ら

7月19日(火)

 第八回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)が十五日から十七日の三日間、聖州イミグランテス展示場で開催された。最終日午後に小雨が降ったほかは期間中を通じて晴天に恵まれ、三日間で約十万人(主催者発表)が会場を訪れた。昨年まで聖州議会駐車場で行われてきた同フェスティバル。今年は会場が変わり、開催史上はじめて入場料を取ることもあって客足が懸念されたが、三日間を通じて会場は終日満員の盛況ぶりを見せた。
 十六日正午から行われた開会式には主催の中沢宏一ブラジル日本都道府県人会連合会会長をはじめ、クラウジオ・レンボ聖州副知事、丸橋次郎サンパウロ首席領事など政府関係者、日系市議、日系団体代表者など多数の来賓が出席した。中沢会長はあいさつで、同フェスティバルが日伯の文化交流に果たす役割を強調するとともに、関係者に謝意を表した。
 来賓のあいさつに続き、歌手の井上祐見さんが、日本の後藤博子参議院議員の祝電を代読。また、今年一月に急逝した前実行委員長の有北和田之示さんへの功績を称え、中沢会長からご主人の有北陽一ジョージさんに記念のプレートが贈られた。
――目立った生け花――
 会場の上空には数十匹の鯉のぼりが風にはためいていた。会場では中央の舞台を中心に、郷土食や企業の展示コーナー、日系団体のブースが広がる。講堂では今年のテーマ「アニメ・漫画」に関する催し。屋内には日本文化の紹介コーナーをはじめ日本政府や州政府機関、各種団体のブースが並び、それぞれ趣向をこらした催しを行った。
 日本文化紹介コーナーでは、生け花、茶道、墨絵、凧、和紙、焼き物など様々なブースが並んだ。トンネル状に仕切られ生け花の展示には長い列。茶道のブースに設けられた茶室では、お茶のお手前を受ける来場者の姿が見られた。
 同じく本館内には総領事館やJICAなど日本政府機関のブースが設けられたほか、軍警や聖州観光局、水道局など州政府機関も出店。同イベントがサンパウロ州、市の恒例行事として定着しつつあることを印象付けた。
――郷土食に長い列――
 郷土食のコーナーは、肩を触れずにはすれ違えないほどの混雑ぶり。ヤキソバの人気はあいかわらず高く、長い列が続いていた。ほかにも終了時刻を待たずに売り切れてしまう店もあるなど、同フェスティバルにおける郷土食の人気の高さをうかがわせた。
 ニシンとイカ焼きを販売した北海道協会では、二日目に用意したニシン二百匹を夕方には完売。うなぎの蒲焼を販売した静岡県人会でも、十七~二十五レアルと高めの値段にもかかわらず一日で約二百食を売り上げた。各ブース前に並べられたテーブルを囲み談笑する県人会関係者。これもフェスティバルではおなじみの風景だ。
 舞台では十六、十七日の二日間、県人会の郷土芸能を中心に様々な出し物が披露された。十六日夕方にはミス・フェスティバルコンテストが開かれ、リエネ・ユリエ・ネーベス・ウラさん(16)が選ばれた。
――多彩な特別展示――
 在ブラジル原爆被爆者協会は本館内で原爆被害の写真や絵画、映像などを展示した。崩れ落ちた建物、全身に火傷を負った被災者の写真を前に、訪れた人たちは足を止めていた。「反応は大きいです。いかに皆さんが平和を望んでいるかということだと思います」と森田会長は語る。ブースでは日本祭りにあわせて来博した長崎市の高校生、松尾美咲さんによる平和署名運動も行われた。
 百周年祭典協会は文協、ブラジル・ニッポン移住者協会と共同で参加。開拓当時の写真や移民史料を展示したほか、移民百周年に関するパンフレットを配布してPRにつとめていた。「『何の百周年?』と聞く人もありました。普段日系社会から離れている若い人に百周年を知らせるいい機会になったと思います」と関係者。
 コチア青年連絡協議会は今年初参加。「コチア青年五十周年集合」と張り紙が張られたブースでは、青年有志から寄付された農産物や花などを販売した。立ち寄った元「青年」と昔話が弾む。「来るつもりじゃなかったけどね。来てみるとやっぱりなつかしいよ」。
 日本から参加した在日ブラジル人企業家協会(ABC JAPAO、橋本秀吉代表)は、今回のフェスティバルに合わせ、在日ブラジル人の活動を紹介する雑誌「Brasil‐Japao」を三万部準備。橋本代表をはじめ約五十人が来伯した。「出稼ぎだけじゃない在日ブラジル人社会の姿を知ってほしかった」と語る橋本代表。ブースでは同雑誌や日本でブラジル人向けに発行されている出版物などが展示された。
 「始まるまでは心配でしたが、実際にたくさんの人が来ているのを見て本当にうれしく思います」、来場者でにぎわう会場で中沢県連会長は語った。「いいレベルの日本文化を紹介できました。州政府、ブラジル人としても自分たちの文化としてこれを残す方向に行っていると思います」。副知事からは、来年以降の開催についても好意的な返答を得たという。
 地下鉄ジャバクアラ駅の送迎バス乗り場には、バスを待つ人の長い列ができた。「四十分待ちましたよ」(聖市在住の男性)。会場でも入口の入場券売り場や帰りのバス乗り場の混雑が終日続いていた。

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