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磐田農高から研修団=同窓先輩らと交流

2005年8月3日(水)

 静岡県立磐田農業高校(井田隆夫校長)は、来年の同校創立百十周年を前に、初めての試みとして「ブラジル生徒派遣交流事業」を実施している。第一回研修団は井田校長を団長に生徒二人、同窓生九人、職員一人の計十三人。二十八日着伯、同日午後七時からブラジル静岡県人会(鈴木静馬会長)会館で歓迎会が行われた。九日まで滞伯する。
 「満州に鉄砲持って行くより、桑を持ってブラジルに行け」。同校は創立間もない頃から海外移住を推進。大正時代から昭和四十年ごろにかけて、「海外植民講習所」が設立され、約五十人の同窓生が夢を抱いて南米に渡った。このような先達の思いを知って欲しいと、同校百周年の一九九六年に「夢に大地を」というスローガンを掲げ、同窓生らの「アンデスの会」九名が訪伯した。これを機に県人会と同窓会南米支部を交流が活発化。二〇〇一年には「ブラジル訪問検討会」が開かれ、実現の運びとなった。
 会では鈴木会長は「日本に行く度、磐田高校と交流があって、ブラジルに来て下さいと言ってたから嬉しい。滞在日数は短いけど、頑張って下さい」と挨拶。井田校長は「地球の反対側の国から演歌が聞こえてくるのが不思議」と笑い、「ブラジルを高校生自身の目で見て下さい。先輩の熱い思いを感じて、広い視野を持った農業人として育って欲しい」と奨励した。
 代表生徒は生産科学科三年の鈴木康太郎さん(17)と飛田洋平さん(17)。鈴木さんは「移民のこと勉強してきたけど、実際自分の目で見ないとまだわからない。父が農業を通して障害者や高齢者を雇用するユニバーサル園芸をしている。それを継ぎたいから農業研究をしたい」。飛田さんは「バイオマス、温暖化問題などの考え方学びたい。こちらの農業高校生とも交流してどんな考えを持ってるのか聞きたい」と抱負を語った。
 同窓生九名はブラジルに住んでいる同級生に会いに来た人も多い。そのうちの一人、同会会長の飯田恵作さんは「今回で二度目の訪伯。この制度が長く続いて欲しい」と希望を述べた。
 また、研修団と県人会双方が感謝状と記念品を贈呈した。
 一行は、東山農場でコーヒー園、工場を見学。その後、ジャボチカバール農業高校と同大学、アルコール工場を訪問する。その他、移民船笠戸丸が着港したサントスも見学予定。

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