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セミナー、通商再開=兵庫県と神戸=もっとブラジルと緊密に

2005年8月13日(土)

 ジェトロ・サンパウロセンター(桜井悌司支局長)は、八日午後三時からブルー・ツリー・タワー・パウリスタで「兵庫県―神戸 通商再開」と題したセミナーを開催した。同県は震災から十年経って復興をとげ、それに伴ってビジネス拡大を求める声が高まっている。同県人会創立四十五周年に出席するため来伯していた井戸敏三知事が「兵庫・神戸BEST PORTAL」をテーマに講演を行い、各六企業もプレゼンテーションを行った。
 赤木正明兵庫県国際経済課長の司会のもと、丸橋次郎サンパウロ日本総領事館首席領事が「小泉首相の来伯、ルーラ大統領の訪日で経済関係が良好になることを期待させたこの時期に、セミナーを開催することは、意義のあること。もっと両国の経済関係を緊密にしていく必要がある」と話した。
 続いて井戸知事の講演が行われた。現在神戸市では赤外線、紫外線吸収剤で世界市場の五〇%を占めるケミプロ化成会社を始め、ブラジルに進出しているアシックス、川端重工業、シスメックスなど多くの企業が活躍している。同市が持つサービスとしては、投資サポートセンターや研究施設、国際ビジネスセンターを挙げる。「企業立地の助成に対する積極的な活動が評価されていると思う」と話す。
 また、神戸空港が来年二月に開港。関西国際空港と水上バスで結ぶ予定だ。明石海峡は四国と結ばれている。今年一月には国連世界防災会議が行われ「兵庫宣言」で減災を提唱した。これは市民レベルでの防災対策などの必要性を強調している。「このようなことから神戸は便利で安全な都市。安全と言うのは、十年前に地震があったからもう当分、地震はないということです」とアピールし、会場に訪れた参加者の笑いを誘った。
 「ブラジルは履物産業が盛んだが、機能的なシューズを開発するにはまだまだレベルが低い。いいシューズを提供するために毎日根気欲よく従業員を指導している」と言うのはアシックス・タイガー・ド・ブラジルの岡田義広社長。続いて山下清司川崎重工業事業推進副本部長、岩崎有恒神戸製鉄所業務部担当部長、金川晃久シスメックス経営企画部企画グループ課長がプレゼンテーションを行った。
 MCC食品は冷凍、缶詰など調理済みの食品販売を主に行っている。水垣宏隆社長は「世界の料理を商品化して日本と世界との交流を計ることが目的。ブラジルのフェイジョンも是非商品化したい」と話した。「ブラジルが四十六年前から大好き」と言う上島達司UCC上島珈琲社長は「サルバドールで九月二十五日に世界珈琲会議が開かれる。ブラジルは珈琲界リーダーとして、日本は消費国としてともに頑張りたい」と抱負を述べた。

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