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薬草の行方さん死去=100歳、眠るように

2005年8月16日(火)

 薬草研究家として知られた行方健作さんが十日午後三時、カコンデ市の自宅で肺炎のために死去した。百歳だった。遺体は翌十一日、ブラガンサ・パウリスタ市内の墓地に埋葬された。
 遺族によると、行方さんは亡くなる二週間ほど前に肺炎にかかり、入院。その後退院して、自宅で療養していた。眠るように息を引き取ったという。
 行方さんは新潟県出身。一九三〇年代半ばに渡伯し、第一アリアンサの五十嵐直三郎氏の農場に入った。薬草の研究を始めたのは、肉親に中風で倒れるものが出たのがきっかけ。橋本悟郎博研顧問とは五十年来の友人。雑誌「のうそん」の主宰者永田久氏の協力で、薬草に関する書籍を出版している。
 一九八五年から援協で薬草相談室を始め、その後新潟県人会に移転した。軽い脳溢血で三年ほど前に倒れ、カコンデ市に住む長女、井上吉野さん宅に引き取られた。同市に移るまで、毎週水曜日、同県人会に足を運んでいた。薬草相談室は、娘の小橋節子さんや行方恭子さんらが受け継いでいる。
 初七日のミサはなく、「三十日のミサ」が九月十日正午から、ブラガンサ・パウリスタ近くの農場で営まれる。問い合わせ電話番号=11・3842・3189/5052・0963。

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