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コチア青年=来月50周年祭典=北パの仲間と親善交流=連載(3)=カルロポリスで分譲入植=かつては「養鶏の村」

2005年8月19日(金)

 Fazenda Teolandiaで移民大先輩の伊藤直(北海道、92)の人生訓を拝聴したコチア青年親善交流団一行は、『コチア青年の村』に歩を進めた。「コチア青年の村」は通称に過ぎないが、一九六四年にコチア青年九名が三十二アルケール(約七十七ヘクタール)の土地を仲間同士で分譲して入植した。その土地の購入に伊藤直が尽力したことは申すまでもないし、複数の旧パトロンが連帯保証人となったものの、その中心人物もまた伊藤直だった、という。
 コチア青年カルロポリス地区代表の中林良(島根県)をはじめ、「村」住人の阿部和義(北海道)や佐藤清太(福島県)らの案内で「村」を訪問した一行は、宇都春雄(鹿児島県)が経営する養鶏場を視察した。かつて「養鶏の村」の別名があったほど、入植者のほとんどが養鶏を手掛けたようだ。
 今でも養鶏を続けているのは宇都春雄だけ。始めたのは六七年で、今は産卵用ニワトリ二万五千羽を飼育している。近年は長男の忠(ただし) に経営を譲ったが、(この長男が)今年の選挙で副市長に当選し、公務に多忙を極めているため、ミツ子夫人(サント・アントニオ・プラチーナ生まれ)が仕事を取り仕切っている。
 四人の子供を育てながらの仕事のため「毎日が大変よ!」という賢妻賢母だ。逆に〃春雄爺〃が手伝う毎日だ。雛の孵化だけでなく、飼料作物も自家栽培しており、ほぼ自給という強みだ。鶏卵は毎日出荷している。州都クリチーバにも週一回。
 州都近郊では、コチア青年一次六回の内野四郎(長崎県)が州最大規模と言われる養鶏場を経営している(本紙・四月十四日報道)が、鶏卵の需要が多いので競合しないようだ。注目に値するのは「強制換羽」という飼育手法を取り入れて良質卵の生産を行っていることだ。一定期間を過ぎた産鶏を餌を与えずに水だけを与えて二週間育てる手法だ。この間に古い羽根が抜けて、鶏が若返り、再び良質の卵を産む、という。
 この他に、コーヒー三万本と三十アルケール(約七十二ヘクタール)にトウモロコシを、それぞれ栽培し、肉牛三十頭も飼っている。多角経営が堅実に実行されている姿に、交流団一行は納得した。
 親善交流団の一員で最長老格の山田貢(鹿児島県)が気を吐いて「九月十八日の五十周年式典には家族全員で国士舘スポーツセンターに来いよ!」と宇都家の全員にゲキを飛ばしていた。
 午後七時、市中心街にあるRestorante KYODAIで交流会が始まった。佐藤清太の息子兄弟が始めた和食・伯食併用の文字通り兄弟食堂だ。
 カルロポリスに入ったコチア青年は六十二名、その中、現在、在住者は十名だ。交流会の出席者(順不同・敬称略)は、中林良(島根、二次六回)・亜今美夫人、阿部和義(北海道、二/四)・セツコ夫人、宇都春雄(鹿児島、一/八)・長男の忠、佐藤清太(福島、一/七)・千恵子夫人、浦添尊(長崎、二/七)・奈津枝夫人、赤松鶴喜(熊本、一/三)、筒井政廣(高知、一/六)、馬場国康雄(鹿児島、一/四、オウリニョス在住)、北見時夫(新潟、一/七、サンパウロ州ブラガンサ・パウリスタ在住)・マリコ夫人・長男のマリオ隆幸、高橋信男(岩手、一/七、サンパウロ市在住)。欠席を余儀なくされたのは、田中清治(北海道、一/二)、伊藤定雄(北海道、二/七)、久保正夫(愛媛、一/五)の三名だ。
 中林良代表の挨拶の中に「仲間十名中、八名に合わせて子供が三十七名おり、その中の二十名が大学卒業」という言辞もあった。仲間の多くが子宝に恵まれている明るい一面だ。朋(友)あり遠方より来る、賑やかな歓談が続き、仲間同士の親善交流の第一日目(八月六日)がゆっくりと過ぎた。(敬称略)つづく

■コチア青年=来月=50周年祭典=北パの仲間と親善交流 =連載(2)==「ブラジル式安全に留意すべし」〃恩師〃伊藤直さんと会う

■コチア青年=来月=50周年祭典=北パの仲間と親善交流=連載(1)=ほぼ全員還暦、古希に=記念の「森」を造成中

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