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商工会議所、業種横断して意見交換=05年上半期回顧と下半期展望=商工会議所、業種横断して意見交換=大統領弾劾あるまい=コンサルタント部会遠山副部会長=「信用回復に実績」  

2005年8月27日(土)

 ブラジル日本商工会議所が主催する業種別部会長懇談会が三日、サンパウロ市内のホテルで開かれた。会議所内十一部会の代表がそれぞれの業種を横断して意見を発表する同懇談会。今回は「二〇〇五年上半期の回顧と下半期の展望」をテーマに、それぞれの業界の現状と今後の見通しを語った。
 冒頭、田中信会頭のあいさつに続き、コンサルタント部会の遠山景孝副部会長が、現在のブラジル政治情勢をテーマに講演した。
 混迷の続く政治情勢。遠山氏は、一連のマスコミ報道の流れとは別に、ルーラ政権二年半の実績には認める点も多くあると指摘。財務省や中銀などの重要な部門にPT以外から人材を登用して、経済安定と信用回復を達成した点などを評価した。
 大統領弾劾については、その支持層の大きさが社会に与える影響からも可能性は低いとして、任期を全うするだろうとの見通しを述べた。現在の政治混乱が経済に及ぼす影響については「ブラジルは経済原則が守られている」と語り今後も順調との見方を示した。
 続いて各部会代表者の発表に移った。
【金融部会】
 上半期においては、対ドル相場、カントリーリスクとも、政治スキャンダルの影響は少ない。レアル高でも輸出は好調。経済の好調を受けブラジルはIMF支援からの卒業を決定した。成長率は昨年の金利引上げの影響を受けてやや鈍化傾向。年初予想の三・五%をやや下回り、三・〇%程度と見込まれる。村田俊典部会長は下期も引き続き政治スキャンダルの行方に注目していきたいと語った。
 この日は同部会内の四銀行による年末時点の為替と経済基本金利(Selic)の予想も発表された。為替は二・五〇から六〇程度、金利は一七・二五から一八・〇〇%程度の予想が大半だったが、中には一ドル=二・〇〇レアル、金利二二・〇〇%の予想もあり、会場から驚きの声も上がっていた。
【貿易部会】
 上半期の貿易収支は、レアル高にかかわらず好調に推移している。開発商工省の発表によると輸出は前年同期比二三・九%増、五百三十七億ドルで史上最高を記録。中でも半製品、工業製品の輸出が大きな伸びを示した。対日貿易も輸出入ともに伸び、輸出は八番目、輸入は五番目となっている。特にコーヒー豆の輸出は金額で前年比百二十%増加するなど、顕著な伸びを見せている。
 中央銀行は六月の時点で、今年の貿易収支額を三百億ドルと予想。桜井悌司副部会長は「ブラジルに輸出マインドが出てきた。輸出競争力もついてきている」と述べた。桜井氏は対中貿易の拡大にも触れ、輸入増加の状況が続けば対中貿易が赤字に転落する可能性があるとの見方を示した。
【化学品部会】
 農薬や殺虫剤、プラスチック着色剤、油脂製品、化粧品など多くの分野にまたがる同部会。昨年は国内販売、輸出の好調で業績が伸びた会社が多かったが、今年は旱魃の影響で農薬などの販売が落ち込んだほか、安価な中国製品の攻勢も影響している。
 下半期も、原油の高騰に加え、高金利やレアル高による値下げ競争の影響で苦戦が続くと見られる。
【機械金属部会】
 粗鋼の生産は前年並みだが、内需の減少で販売が低迷。輸出についても、米国内の需用低迷、中国の買い控えなどで国際価格が下落するなど厳しい状況が続いている。電力・エネルギー分野では、原油高により世界的にエタノールの需用が高まっていることなどが説明された。
 同部会では、製鉄分野の内需低迷は一時的なもので、下半期には回復すると見ている。ただし、政治スキャンダルやレアル高、高金利など不安定要因は依然多い。

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