2005年9月23日(金)
日本公開中(東京・渋谷ユーロスペース、十月三日まで)の映画「わたしの季節」(小林茂監督)の主題歌にサンパウロ在住の歌手青木カナさんの『帰ろうかな』が使われている。
「わたしの季節」は滋賀県の重度心身障害者施設、びわこ学園を舞台にしたドキュメンタリー映画。入居者のあるがままの日常を三年間にわたり取材、記録した作品。
昨年の毎日映画コンクールで「記録文化映画賞(長篇部門)」を受賞。また、文化庁が優れた文化記録映画を表彰する第三回文化庁映画賞の大賞も受賞している。
主題歌に使用されているのは「帰ろうかな」。二〇〇三年に日本のTVコマーシャルで使われヒットした曲だ。今回音楽制作を担当する音楽プロデューサー、川村年勝さんの耳に止まり、昨年五月に話がきた。
「すでに自分の曲が付けられている映画のビデオが送られてきて、最初はどうしてこの曲が、と思いました」とカナさん。だが、「施設の入居者たちが家を離れて暮らしている一人一人がいろんな思いを持っているという点が、この曲を作ったわたしの気持ちに通じるところがある」と感じた。
カナさんは昨年七月に北海道でレコーディング。九月三日の映画公開を受けて、新潟や山形の各地で映画の上映とライブを行うイベントに参加した。びわこ学園でも歌った。
「彼らの反応の率直さに驚きました。いろいろな表現方法でストレートに訴えかけてくる彼らに対し、わたしも全力で歌うことができた」。
現在、ブラジルでもこの映画を公開すべく、夫のレオさんと共に翻訳作業中。
また映画のイメージソング集「絵紡―etsumigi」も日本で販売されている。