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移民テーマに曲作りへ=「島唄」の宮沢さん=日系人の存在伝えたい=会見で意欲

2005年9月30日(金)

 ブラジルに百数十万という日系人がいることだけでも伝えられたら――。二日にロンドリーナ、六日にサンパウロ市公演を行う人気ロックバンド「ザ・ブーム」のリーダー、宮沢和史さん(39)。二十九日午後一時半から文協ビル十四号室で記者会見を開き、百周年に向けた曲作りに意欲を見せた。
 昨年に引き続き、ブラジル公演を実現させた。「何回でも来て色んな人に認知してもらえたら」と話す。
 ブラジルに対する思いは熱い。「最初は個人的な勉強」から始まったという九四年の初来伯以降、ブラジル音楽の造詣を深め、著名なミュージシャンとのレコーディングや共演も行ってきた。
 今回の公演地には日系人が多いロンドリーナを選んだ。「音楽家、宮沢として〇八年に何かできないか」という日系社会への思い入れからだ。
 現在、移民史などを勉強し、曲のイメージを練る。
 「具体的なものはまだ決まっていない」としながらも、「『移民』という集団で捉えられがちだが、一人一人の歴史が百年、という印象」と独自の視点も。
 世界的にも評価が高い宮沢さんの代表作「島唄」が現在、日本での沖縄ブームの火付け役の一端を担ったのは周知の事実。
 「島唄」作曲のきっかけなったのは、十数年前に訪れた沖縄で、戦争の悲惨さに驚き、その歴史的事実を知らなかった自分の無知さを恥じたことからだという。
 「自分ができるのは、目で見たものを口で伝えること」。音楽家としてどういう形にするか。自身への課題だ。
 「何回でも来て、話を聞くことや、今回の公演などが曲作りに繋がれば。そのためにも今回の公演を成功させたい」と百周年への熱い思いを語った。
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 宮沢和史中南米ツアー、「MIYAZAWA2005」のブラジル公演は、文協五十周年記念事業の一環。詳細は以下の通り。
【ロンドリーナ公演】
 十月二日午後五時開演。TEATRO OURO VERDE。グルッポ・サンセイ主催。
【サンパウロ市公演】
 十月六日午後九時開演。SESCヴィラ・マリアーナ。チケットは十五レアル。現在、全SESCチケット売り場で販売中。
 SESC・SP、ブラジル日本文化協会の共催。在サンパウロ総領事館、国際交流基金、ブルーツリーホテルの後援。

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