ホーム | コラム | 大耳小耳 | 大耳小耳

大耳小耳

2005年11月22日(火)

 高齢者の人権意識が高まりつつある。「asilo」(老人ホーム)は差別用語だとして、使用を控える傾向にあるそうだ。援協福祉部の八巻和枝部長によると、「asilo」には姨捨山のようなニュアンスが含まれ、「INSTITUICOES DE LONGA PERMANENCIA PARA IDOSOS」(ILPIs)に置き換えるようになってきている。直訳すれば日本語で高齢者向け長期入居施設だが、この言葉の普及率はまだ低い。
     ◎
 年末助け合い寄付の時期になった。ボーナスの支払いなどに迫られるため、福祉団体では貴重な収入源になっているようだ。援協によれば、今年は年末寄付が始まったのが、例年に比べ一カ月ほど遅いという。景気が悪いのか、世知辛い世の中になったからか。ただ、寄付に頼る運営は難しいということだけは確かなようだ。来年度に向け、援協は予算を作成している。円安の影響もあり、七十億円近くに達するかも。
     ◎
 地下鉄チラデンテス駅近くの軍警本部を訪ねた。近くのボンレチーロは、いわずと知れた韓国人街。ところがそのそばの軍警入口にあるのは日本庭園だった。日系の谷口中佐に聞くと、この庭園、日系人として初めて軍警大佐になった西礼三さんにより二十年ほど前に造られたものだそうだ。当時の総司令官の要望だったとか。細長い池の中では赤い錦鯉がゆっくりと泳いでいた。

image_print