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1億3千157万レアル=06年度援協予算決まる=――突出している友好病院関係、全体の93%=福祉部、巡回診療班は赤字予算

2005年12月20日(火)

 サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)の二〇〇六年度予算(案)が、昨年比四・五%増の一億三千百五十七万千レアル(約六十八億円)になる見通しになった。今年最後になった十六日の定例役員会で報告された。〇五年のインフレ率の予想(五・五%前後)を下回る見込み。来年、集中治療室の増床(友好病院)などの新規事業計画案はあるが、特に際立ったものはないようだ。
 尾西貞夫財務委員長(第一副会長)によると、例年通り、友好病院の予算が突出。全体の九三%に当たる一億二千二百四十八万レアルを計上した。援協本部は収入百七十万八千レアル、支出九十九万四千三百レアルで、七十一万三千七百レアルの黒字を見込む。
 行政から支援を受ける奄美事業所を除くと、サントス、カンポス、やすらぎ、スザノ、あけぼのの施設は収支ともに、四十五万九千百レアルから百六万二千レアルに納まっている。
 福祉部(八巻和枝部長)は、七十二万八千レアルの収入に対して百二十五万レアルの支出。四十七万レアルの赤字予算を組んだ。支出のうち、援護費が昨年より十万三千レアル増の九十七万六千レアル(七八%)を占める。
 具志堅茂信事務局長は「今年は既に、昨年に予定していた支出を上回った。私たちが予想していたよりも、困窮者が増加していることを示しています。来年度についても、同じことが言えるかもしれません」と明かす。
 巡回診療班(根塚弘班長)も、十三万三千九百レアルの赤字予算になる。ドル安レアル高の影響もあり、JICAからの助成金が十五万三千五百レアルから十三万三千三百レアルに減ったことも響いた。
 新規事業計画では、コンピューター・システムの充実(総合診療所)、先端医療機器の導入(友好病院)、地域高齢者向けの支援キャンペーンの推進(あけぼのホーム)などが挙がっている。今のところ、大型プロジェクトの計画、実施は予定されていない。
 尾西財務委員長は「特に病院を始め、援協の予算は莫大な額になっています。維持管理には、細心の注意が必要です」と述べた。

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