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ドキュメンタリー「アリガト」が完成=日本移民の90年描く=カンポグランデ=制作者は非日系ら

2006年1月7日(土)

 カンポグランデの新聞「Ultima Hora」の報道によると、同地の日系コロニアの歴史を描いたドキュメンタリー「Arigato‐um olhar sober a imiguracao japonesa em Campo Grande(ありがとう‐カンポグランデ日本移民についての考察)」(ポ語、60分)がこのほど完成した。
 同市在住のジャーナリストが中心となって制作されたもので、先駆移民の子孫へのインタビューなどを通じて、一九一四年の定住開始から現在にいたる同地日系社会の歩みを紹介している。
 二〇〇四年に定住九十周年を迎えた同地の日系社会。昨年出版された記念誌「カンポグランデ日系コロニアの歩み」に続いて、映像による移民史が完成したことになる。
 制作の中心となったマリステーラ・ユーレさんは、同地在住のジャーナリストだ。日系ではないが、有志のグループにより制作を企画、市から資金面の支援を受け制作にあたった。
 カンポグランデ文協に協力の依頼があったのは一月上旬。カンポグランデ沖縄県人会と連携して、関係者への取材などに協力した。
 五月に制作を開始、十二月に完成。二十一日に文協で開かれたパーティには市長はじめ約二百人が出席して作品を鑑賞したという。
 一昨年に日本人定住九十周年を迎えたカンポグランデ日系社会。その草分けはノロエステ鉄道建設の工夫たちと言われている。
 作品は、定住者第一号の山城興昌氏、植民地建設に携わった仲尾権志郎氏など先駆移民の子孫へのインタビューや、運動会や盆踊りなど同地日系社会の映像を織り交ぜながら、戦前から戦中、現在のデカセギ現象にいたる九十年の歩みと、日系人が同市に果たした功績を紹介している。
 完成パーティで作品を見たカンポグランデ文協の山内盛光さん(66)は「カンポグランデがどのように成り立ってきたのかが分かる作品。監督は日系ではないけど、日系以上にコロニアに関心をもつ人。感心しました」と感想を語った。
 作品はカンポグランデ市内の学校などに寄贈される予定だ。
     ◎
 作品のDVDは同文体協を通じて申し込みが可能。十五レアル(郵送料別)。問合わせは同協会まで。電話(67)3324・4160。現地時間(サンパウロと時差一時間)の午前七時半から十一時半、午後一時から五時半。

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