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パラナ日伯連合会が誕生=リーガアリアンサ合併を承認=「準備と再団結の年に」=100周年に新たな一歩

2006年2月1日(水)

 パラナ州の日系団体が一つに――。パラナ日伯文化連合会(アリアンサ、上口誠一会長)とパラナ文化運動連盟(リーガ、西森ルイス会長、パラナ州議)の合同総会が一月二十九日、ロンドリーナのアリアンサ本部で開かれ、懸案事項だった合併が正式に承認された。当日は州内各支部代表ら約二百人が出席。席上、西森ルイス氏(56)を会長とする新役員のシャッパも発表され、拍手で承認された。新団体の名称は「パラナ日伯連合会(Liga-Alianca Nipo-Brasileira do Parana)」となる見通し。日本移民百周年に向けて州独自の準備を進めるパラナ日系社会。今回の合併により新たな一歩を踏み出す。
 五十九年の歴史を持つリーガと、三十九年のアリアンサ。これまでは分野を分けながら活動し、移民九十周年などの大きな行事で団結する形をとってきた両連合会だが、今回の合併により、パラナ州内の日系団体は一つの組織に統合されることになった。
 合併の話は昨年の合同総会でも議題に上った。この時は両団体の執行部を一年間延長することで合意。両団体代表による団体合併委員会が組織され、今年の総会に向けて検討を進めてきた。
 この日の総会には州内各支部の代表者のほか、萩生田浩次クリチーバ総領事、石橋隆介JICAサンパウロ支所次長など政府関係者も出席。谷口カシオ前クリチーバ市長も会場を訪れた。
 物故者へ一分間の黙祷の後、アリアンサ評議員会長の上野アントニオ元連邦下議、両連合会の役員および来賓があいさつに立った。
 萩生田総領事は今回の合併を「時代の要請に応えた英断だと思う」と述べ、新団体の門出を祝福。また〇八年の日本移民百周年、日伯交流年に向けて「リーガ―アリアンサはパラナ日系の新しい役割を創造する重要な使命を帯びている」と今後の活動に期待を表わした。
 事業会計報告に先立って、スダメリス銀行の中村ミルトン専務が、同行が販売する百周年援助プラン「100周年CAP」の販売状況を説明。各支部の販売分に対するコミッソンが各代表に手渡された。会場では、同銀行の日系団体への協力に対して記念のプラッカが贈られたほか、ロンドリーナ文化体育協会(ACEL)の和太鼓グループ「一心太鼓」が演奏を披露した。
 両連合会の事業・決算報告を承認した後、上野会長、両連合会長のほか嶋田巧アリアンサ名誉会長、沼田信一相談役が別室で新団体役員のシャッパを協議。上野会長から西森氏を会長とするシャッパが発表され、拍手で承認された。
 新団体の役員は西森氏を会長に十五人の副会長からなる。評議員会長は上野氏。アリアンサの嶋田巧名誉会長、上口誠一会長、リーガの前田拓司評議員会長が新団体の名誉会長に就任した。
 「大きな責任を感じています」、あいさつに立った西森会長は就任にあたっての決意を述べた。会長は合同総会に先立って両団体の歴代役員、各支部に合併に向けた相談を続けてきた経緯を説明。「皆さんのおかげで今日合併が実現しました」と感謝の意を表わした。
 パラナ日本移民百周年の中心となる同連合会。西森会長はロンドリーナへの連邦技術大学誘致、マリンガでの日本庭園建設をはじめ各地で記念事業の準備が進んでいる現状を説明。さらにロゴマークの公募をはじめる考えを示すとともに、「提案、要望があれば何でも送ってほしい」と協力を呼びかけた。
 一年間の準備期間を経て統合を実現したアリアンサとリーガ。西森会長はこれから二年ほどの時間をかけて実務面での統合を進める考えを明らかにしている。「今年は準備と再団結の年」と語る西森会長。「これからの連合会のやり方を見つけていくとともに、百周年についてもパラナはパラナで活動を続けたいと思います」と抱負を語った。

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