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モジ秋祭りに6万人=百周年に一歩踏み出す=鳥居たて日本情緒を演出=出展数は昨年の2倍

2006年4月12日(水)

 「原点に帰ると同時に、これが百周年への第一歩です」。七日午後、第二十一回秋祭りの開会式で、力強く開会あいさつをしたのはモジ・ダス・クルーゼス文化協会の中山喜代治理事長(二世)だ。この三年間はモジ市中心の大展示会場で開催されていたが、二年後に控えた百周年に大規模なイベントとする準備として、ふたたび同文協総合運動場に会場を戻した。グローボTV局のノヴェーラに出演する日系女優のサイン会が行われるなど話題満載、約六万人(主催者発表)が来場し、同地での盛大な百周祭に一歩を踏みだした。
 あいにくの雨にもめげず、安部順二モジ市長は七日午後五時から行われた開会式で胸を張って演説した。「朝早くから夜は枕に頭を横たえるまで、日系人は全ての分野でブラジル社会発展に尽くしてきた」。
 三年連続で協賛してきたスダメリス銀行グループのカルロス・ロベルト・マリーニ専務取締役は「日系社会との関係は我が行の誇り」とあいさつし、続いてジョゼ・カルロス・スタンゲリーニ州議、沖田豊穂領事らが祝辞をのべ、鏡割り、乾杯を行った。
 列席した小原彰・百周年祭典協会イベント委員会コーディネーターも「この行事を百周年の公式カレンダーに入れることに一点の疑問もない」と賞賛した。
 今回のテーマは「農業・文化=期待と伝統」。初日だけで八百人が来場し、全三日間合わせて六万人が入ったという。堀井記念体育館では農産物展が行われ、周辺の三百農家から出展された蘭など各種花卉、卵、野菜、うずら、キノコ類など約五百種が展示された。モジ産品の品質の高さを目の当りにした来場者からは、口々にため息まじりの賛辞がもれた。
 体育館には、トマトとミカンでかたどった大きな文協マーク、ひょっとこの面やダルマ、招き猫などを展示した日本文化コーナー、
書道、生け花、花祭り(お釈迦さま生誕祭)のブースも設けられた。
 今回のために、二万平米が舗装されたメイン会場には主要協賛企業のスダメリス銀行、ケイロース・ガルボン土建会社をはじめ二十社の展示ブース、自動車会社九社、トラクター会社三社のブースが軒を連ねた。このほかバザリスタ(販売業者)四十七店、日本食も含めたレストラン二十五軒が設置され、昨年のほぼ二倍の規模になった。
 あちこちに朱色の鳥居が立てられ、スズラン灯を模した通りまで作られるなど、日本情緒に溢れた演出がこらされた。
 特設舞台では、次から次へと地元学校の児童生徒によるダンスや合唱、YOSAKOIソーラン、和太鼓から、合気道、空手などの演舞も行われ、会場を沸かせた。
 グローボ局ノベーラ「ベリッシマ」にスージー役で出演中のジュリアーナ・カナタニさんのサイン会や、最終日の第二回ミス・ミスター日系コンテストは特に盛り上がった。
 総合運動場は全部で二十五万平米あり、今回はそのうちの六万五千平米を会場にした。来年は舗装を八千平米増やす計画だという。
 中山会長は「〇八年にはもっと盛大なイベントをしたい。その準備のためにこの場所に戻った。さらに出展企業を増やし、警備を充実させるノウハウを積みたい」と語り、百周年に向けた計画の一端を披露した。

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