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INSS問題解決に向け進展=文協=慈善団体として再登録へ=上原会長が会見で報告

2006年5月19日(金)

 「きのう、ダメだったら本当に文協はどうなっていたかわかりませんでした」。十七日、ブラジリアの国家社会保障審議会(CNAS)から立会いを求められ、上原幸啓文協会長は文協の活動について説明を行い、理解を得ることができたとして十八日午後、緊急記者会見を開いた。今回の審議会では、文協の慈善団体登録が九四~九六年分まで更新することが認められ、もっとも困難だった難関を越えた。この登録が認められたことで、五月現在で四百五十万レアルにのぼっていたINSSからの罰金が、その期間分ずつ減額されることになり、問題解決に大きな進展を見せた。
 昨年来、ブラジリアのコンサルタント会社を通して、国家社会保障審議会への慈善団体登録の更新書類の作り直し、再申請が進められていた。その結果、同審議会から最終的な審議をするため、団体代表を呼びだして面接、質問を行なった。十七日に審議会へ参加したのは、上原会長と伝田英二会計理事。
 文協が免税団体であるために必要だった慈善団体登録が最初に問題とされた九四年~九六年分に関して、審議が行われた。上原会長の説明により、午後六時半ごろ、更新することが承認された。この結果は、二十五日付けの連邦官報に記載される予定だという。
 慈善団体として認められたことにより、その期間に関しては、INSSの罰金を払う必要がなくなった。おなじ作業を九七年分以降に関しても繰り返していけば、すべてが解決するという見通しがたった。会見で、関根隆範副会長も「今回得たノウハウは重要だ。文協の将来に明るい兆しが見えてきた」と喜ぶ。
 伝田会計理事によれば、〇一年に追徴されたときのINSS罰金は約二百万レアルだったが、価値修正や利子を加え、五月現在で四百六十万レアルにも膨れ上がっていた。まさに、文協の存続を揺るがす、巨額な借金と化し、将来に暗い影を投じていた。
 上原会長は「これで今まで滞りが違ったルアネー法の申請なども通りやすくなるのでは。百周年にも弾みがつく」と語った。今回の任期中にはすべての期間の慈善団体登録を更新したいとの、強い意気込みをみせた。

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