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2006年5月19日(金)

 クリチーバとパラナグアを結ぶ鉄道。奴隷でなく、一般の労働者が建設に従事し、九千人のうちその半数がマラリア等の病にかかり苦しんだ。また、革命時には、パラナグアから奥地に逃げる人々がこの鉄道を使用したが、反乱軍に間違われ、列車中で皆殺害されたという。美しい車窓とは異なる過酷な歴史を聞き、ふるさと巡りに参加した中野文雄さんは一句詠んだ。「先人の血と汗にじむこの鉄路永久に幸あれクリチーバ」
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 札幌で生まれたYOSAKOIソーラン祭りがカーニバルの本場ブラジルで日系人たちの心つかんでいる。三年前、始めたのは移住男性、美容院経営、飯島秀昭さん(55)―と、最近の北海道新聞が紹介。昨年実地取材した記者は「欧州系やアフリカ系の顔立ちの参加者が目立つ。編曲はサンバ風」とみた。カット大会のだしものとして美容院の従業員がチームを結成、披露したところ、従業員たちは快感を覚え、仕事に打ち込むようになり売上げが伸びた、と飯島さんの話。不思議な魅力を日系社会の活性化に…と続く。
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 ブラジル政府は、非合法のボリビア移民を合法化する手続きを行っている。支援団体(パリ区)によれば、同区周辺だけ約四万人が居住。その多くが、身分証明書を持っていない。ボリビアのガス国有化に、同国移民が懸念しているという。最も恐いのは、ブラジル人の反感が高まって、二国間協定が反古になってしまうことだ。十七日にブラジル人学生が、ボリビアのサンタ・クルースで襲われてけがをしたとの知らせ。悪影響を及ぼさなければよいが。

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