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上塚周平胸像を故郷に=地元で建立費募金中=福田熊本県人会長「うまくいっている」=遺徳偲ぶPR冊子発行

2006年6月14日(水)

 【既報関連】ブラジル移民の〃父〃、上塚周平の銅像を故郷の熊本県城南町に――昨年十一月、熊本県内で「上塚周平先生銅像建立期成会」(一村信義会長)が創立された。去る四月二十五日に「銅像建立をめざして」と題した冊子を発行し、現在募金活動を行っている。このほど訪日から帰国した福田康雄熊本県文化交流協会(県人会)会長に話を聞いた。
 「短期間のうちに、すごく前向きにいってる」と嬉しそうな福田さん。
 銅像は町営の「火の君総合文化センター」の庭園内に設立する。町議会の承認も得、彫刻家の選定と準備が進んでいる。移住者による使節団が熊本城築城四百年祭で訪日する〇七年十月に、除幕式を行う予定だ。
 「百年目に向けて何か記念すべきことをしようと思ったのが始めでした」。
 〇四年十二月にサンパウロ総領事宛てに銅像建設の要望書を提出したが、却下された。「県に持っていこうかとも悩んだが、行政の難しさから時間がかかると思いやめました」。
 昨年四月下旬、福田さんが訪日した際に城南町長の小林佳之さんと一村さんに思案を説明。上塚周平が城南町名誉町民第一号に認定されていることもあり、その場で民間を主体にして計画を進めていくことが承認された。
 期成会では、地元議員や教育関係者が協力し、上塚周平の偉業、遺徳を後世に残していこうと準備を進めてきた。冊子には、元県知事の沢田一精さんや宇城市長の阿曽田清さんら二十一人の寄稿、年譜や写真などの資料を収めている。
 「これは地元の仕事だ」と千五百万円を目標に募金を集め、「議長からは議会も最大限の協力をするという言葉をもらっていた。これから県への要請をするのでは」というところ。
 福田さんは「銅像建立はほぼ確実だろう。地元で盛り上がっているのだからあまり口を出すのもよくないが、できる限りの協力をしていこうと思う」とし、「〇八年をきっかけとして先人達の足跡をいかに引き継いでいくか、今後も考えていきたい」との思いを述べた。

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