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大耳小耳

2006年6月20日(火)

 ブラジル日本移民へのカトリック布教の先駆者、中村ドミンゴス長八神父(一八六五―一九四〇年)は日本初の海外派遣布教使でもあった。隠れキリシタンで有名な長崎県五島出身。一九一九年にピンダモニャンガーバ市のドイツ人神父が初めて日本人への布教を行うが言葉が通じず、困った末に教皇庁布教省に依頼して、二三年に日本から派遣してもらった。当時五十八歳。同神父の渡伯前、ブラジル人から異教徒として蔑視されることが多々あったが、その見方を変えたという。
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 十八日に開かれたバストス慰霊祭。今年から、式の準備や進行は定年退職して間もない年代の二世、三世にバトンタッチしたが、バストスに限らず、各地の慰霊祭出席者の高齢化は否めないところ。「十年後もやっているだろうか」、会場を見渡しながら同地の文協関係者が漏らす場面もあった。若い世代が慰霊祭の意義を理解して、積極的にかかわるようなきっかけを作ることも必要になってくるだろう。
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 サッカーW杯の日本―クロアチア戦は、善戦むなしく引き分け。サンゴンサーロ教会の移民の日ミサは、ちょうど試合時間中に行われたが、それにもかかわらず教会は満席になった。中には日曜ミサに来たという趣の人もいたが、それを引いても、毎年恒例のミサへの関心は高い。とはいえ、やはり来賓の人たちも気になっていた様子。ミサが終わって外に出ると「どうだった?」と口々に質問。

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