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伯ジャーナリストがみた「日本の食」=五感で堪能した2週間=連載(3)=松江で和菓子屋・茶屋巡り=京都にも引け取らぬ美しさ

2006年6月21日(水)

 松江という街は大変な驚きであった。ギリシャ―アイルランド系の作家で、松江を故郷とした小泉八雲の名前でも知られるラフカディオ・ハーンの家も訪ねた。
 彼の愛した通りを散策していると、松江の有名な和菓子屋を見つけた。そこの和菓子屋は、京都や金沢の和菓子にも引けを取らないものであり、独特の美しさを漂わせていた。その形と色彩は非常に魅惑的である。
 また、一八八四年創業で、日本で最も古いお茶屋のひとつである中村茶舗も訪れ、お茶づくりを見学し、お茶を味わうことができた。
 短い時間ではあったが、大阪に立ち寄った際には、意外な幸運にも恵まれた。国立民族学博物館ではブラジル研究者の中牧弘允教授にお会いすることができた。
 私が博物館へ着いたのは、国立民族学博物館にあるアイヌの家で、一年に一回行なわれるカムイノミ(神への祈り)の儀式の日であった。古い儀式を目にするだけでなく、参加する特典にも恵まれたのであった。そのあと、アイヌの食べ物で昼食を取った。
 また、日本の食の研究を行なっている教授たちとも話す機会を持てた。なかでも朝倉敏夫教授と石毛直道教授は、あの「ケンブリッジ 世界の食物史大百科事典」で日本の項目の責任者を務めている。

◇日本全国の食が集まる東京

 日本での最初と最後の日程は東京で過ごした。この日本の首都は、食に関しても素晴らしい場所である。東京では全国の味覚が味わえるのだ。
 料理は大衆的な場所から最高に洗練された場所まで、無限に広がる可能性のなかで彩られた金銀細工のようである。
 なにもレストランばかりではない。会社員が若鶏や豚の肝の網焼きをつまみにして酒を飲む居酒屋なども同じことが言える。私は大型デパートの地下に軒を連ねる「味の王国」へも足を運び、その洗練の極致を堪能した。
 美食愛好家が憧れるもうひとつの場所が築地、東京の台所と呼ばれる素晴らしい市場である。特に魅力的なのは、全世界から集められた新鮮なマグロのセリ売りで、それを見学するためには、まだ明るくならない早朝から出かける必要がある。
 その日の朝は、築地城内で寿司をいただいたが、なかでもたっぷりと脂肪分を含んだピンク色のマグロのトロは絶品であった。つづく(原文はポルトガル語)

■伯ジャーナリストが見た「日本の食」=五感で堪能した2週間=連載(1)=出汁巻き卵の味比較=塩気が利いているブラジル

■伯ジャーナリストが見た「日本の食」=五感で堪能した2週間=連載(2)=繊細さの極致を知る=「吉兆」嵐山本店の特別料理

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