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内容豊富だった運動会=ピーラル・ド・スル=「全員参加」徹底して融和=50回目、心地よい疲れ

 【ピラール・ド・スル】当地で八日、家族慰安運動会が行われた。始めてから今年で半世紀、五十回目を迎え、それを祝うかのように、この日は一日中快晴のすばらしい天気となった。競技を楽しむだけでなく、さまざま詰まったイベントである。太鼓部の演奏、成人女性総動員の踊り、日本語学校生徒の団舞、さらに同校運動会作品コンクールなどだ。
 市長やソロカバなど近隣の町からも文協役員が来賓として訪れた。また、この町に住む会員だけでなく、サンパウロや遠くの町からもその家族、親戚などがたくさんかけつけ、楽しむと同時に、家族や友人との久しぶりの再会を喜び合っていた。
 古株一男文協会長は「この運動会は、お年寄りから小さなお子さんまでみんなが参加できるように工夫を凝らしてある。運動会を通じて、会員の親睦と融和を図っていきたい」と挨拶。その言葉どおり、みんな元気いっぱいに競技に参加した。
 この運動会は競技を楽しみ、賞品をもらうだけの催しではない。午前最後のプログラムでは太鼓の発表が行われた。太鼓部は、着実に腕を上げていると同時に、その活動が文協や町で定着してきており、このたび後援会が発足した。部員は児童のみで十五名前後と少なく、週二回の普段の練習も自分たちで行っているのだが、この日、新入部員を含む全部員が日頃の練習の成果を披露した。力強い太鼓の音が晴天に響き渡り、この時ばかりは賑やかだった会場全体が静まり、皆がその迫力ある演奏、動きに魅入っていた。
 午後の最初のプログラムは、婦人会、母の会、日本語学校教師合同の踊り。婦人会や母の会は、この日のために週に二回集まり、上芝原初美婦人会長の指導の下、特訓を行ってきており、この日は総勢四十人以上が参加。嫁、姑、日系、非日系など関係無く女性会員の健在ぶりを見せつけた。
 続いて日本語学校の踊り。赤・白・緑・黄色のバスタオル大の布を両手に持ちながら、「WAになって踊ろう」という曲に合わせ、リズミカルな踊りを披露し、最後は日本・ブラジル両国旗を形作った。
 また、日本語学校では運動会作品コンクール(毛筆・硬筆・作文・絵)を行っており、その結果発表もあった。入賞者の名前が呼ばれるたびに生徒全体から歓喜の声が上がり、入賞者はうれしそうに賞品を受け取っていた。
 コンクールの全生徒の作品は会館の中に展示されており、父兄を始め多くの人が足を止め、作品を鑑賞していた。会館の中には他にも、七夕の笹やCOPAにちなんで十六体の巨大なサッカー選手像なども飾られた。日本語学校の作品がぎっしり詰まっており、同校の活発な活動ぶりがうかがえた。
 このように、競技だけでなく様々な要素がつまったピラール・ド・スルの運動会。午後四時過ぎ、四十番目の競技、地区対抗リレーを終えると、皆、心地よい疲れ、獲得したたくさんの賞品、そしてこの日一日の楽しい思い出を持ち帰っていった。

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