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7万人が〝ニッポン〟を体験=県連日本祭=2週目も満場のにぎわい=神輿で「祭り」を演出=大統領候補も会場に

2006年7月25日付け

 今年初めて二週末にわたって開催された、県連(松尾治会長)主催の「第九回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭)」。二週目が二十二、二十三日の両日にイミグランテス展示場で行われた。一週目の様子がテレビ、新聞等で報じられたこともあって、客足は順調。無料送迎バスの乗り場や会場入り口は来場者の長い列ができた。二日間の来場者は約七万人(主催者発表)。二週を通じた入場者は十万人を超え、昨年を上回った。「祭り」をテーマに、神輿が会場内を練り歩くデモンストレーションも行われ、「わっしょい、わっしょい」という掛け声に多くの観客が足を止め、見入っていた。
 両日ともに晴天に恵まれた今年のフェスティバル。西林万寿夫在サンパウロ総領事夫妻は二週続けて来場、二十二日には、うちわを握って神輿を先導した。
 第一週目のジルベルト・カサビサンパウロ市長に続き、二週目はジェラルド・アウキミン前サンパウロ州知事が来場。京都府議会友好訪問団や、鳥取県の第二アリアンサ入植八十周年慶祝訪問団など、来伯中の都道府県訪伯団も会場を訪れた。
 今週も舞台上では終日、郷土芸能をはじめとするデモンストレーションが行われ、観客席は満員のにぎわい。
 郷土食も変わらず人気。二週目のみ参加した岩手は二百七十キロの餅を用意、二日間で売り切った。同じ二週目のみの広島は九百二十三枚の広島焼きを販売し、「来年も参加したい」と満足な様子。熊本の「酒アイス」の前にも行列が続いた。
 各県の郷土食に混じり、奈良では県人会のTシャツを販売。用意した百五十枚がほぼ売れた。
 沖縄では二週目のみ、県費留学生OBが組織する「うりずん」が参加。二日間でTシャツ百四十枚程度を販売した。売上金は沖縄文化普及のために使いたいという。
 汎米日系人協会(APN)の初代会長を務め、今回メキシコから訪れていた春日カルロスさん(67、二世)は、「海外からの人は皆、この祭りに連れて来なければいけない」と祭りの規模に驚きを隠さない。「非日系人の多さにビックリです。日本の食文化と舞台(芸能)がブラジル人に浸透しているということでしょう」と話し、「ブラジルの日系人に心からおめでとうと言いたい」と激励の言葉を贈った。
 「子供のころから毎年手伝ってきた」という奈良の沢口グラウシアさんは、「山口のいちご大福が一番好き」と、神輿が担がれる光景を初めて目の前にして、うれしそうに話していた。
 日本から留学生として来伯している堀越誠一郎さんは「この半年でブラジルのいいところも悪いところも見たと思う。その中で日系のこういう活動を大事にしていきたい」と神輿の担ぎ手を引き受けていた。
 北海道から九州まで一同が一緒になって活動する機会は多くない。「こういう祭りのいいところは、いろんな人が集まること。遠くからの人もいて、珍しい人に会えるからね」と菅原パウロ香川県人会会長。
 松尾会長は「準備が遅れたのは間違いありません。ですが、天気に恵まれたこともあって神輿もかつぎましたし、おかげ様でなんとか『祭り』の形が取れました」と笑顔を見せた。
 広報の遅れが指摘され、客足が危惧されていた今年のフェスティバルだが、二週を終え「悪くない」と関係者。去年は「足の踏み場もないくらいひどかったし、ものすごく並んだ」ために「今年ぐらいがちょうどいい」という声も聞かれた。

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