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母県から使節団来伯=アマゾンの森10周年に=群馬県人会

2006年8月8日付け

 「アマゾン群馬の森」も十周年に――。パラー州のアマゾン群馬の森創立十周年式典に出席するため、第六次緑の大使の子供らと第八次群馬県アマゾンの森植樹団十九人が四日に来聖し、午後五時から、サンパウロ市内の群馬県人会館で会見を開いた。
 団長の大澤正明・県議会議長は「県人先輩の偉業は高く評価されている。県としても支援していきたい」と十周年を迎えた群馬の森をたたえた。
 県庁の環境・森林担当、大木伸一理事(副団長)も「子供への環境教育は重要。森林保全と農業を両立を模索する現場を体験することで、認識が深まる」と同県独自の制度、緑の大使の意義を語った。
 大塚克巳・前橋市助役も「(緑の大使)第一次の人たちは今年大学に入学し、ほとんどが環境関係の学部に進学した。例年、帰国後には写真展や報告会を開いて県民に説明している」と説明した。
 アマゾン群馬の森は北伯群馬県人会(岡島博会長)が創立し、九六年に正式登記した。パラー州都ベレン市より六十キロのカスタニャール市にある。約五百四十ヘクタールの大半が原生林。そこで行われている環境活動が評価され、昨年の愛知万博の「愛・地球賞」も受賞した。
 約九千人の南米からの日系人(うち六割がブラジル人)を抱える太田市を地盤とする大澤議長は環境問題以外に、今回の訪伯中に、デカセギ問題についての見識も深めたいと語った。
 太田市は教育特区を申請してバイリンガル教師を配置するなど、先進的な教育に取り組んでいることで知られている。〇六年の外国人児童生徒教育への市単独予算は約四千五百万円が計上されている。
 議長は「ブラジル人は定住化に傾いている。子弟の教育問題の重要性はさらに増している。県としても前向きに対処するつもり、この機会に勉強したい」との抱負を語った。
 引き続き同日晩、県人会館で歓迎会が行われ、会員らと懇談した。約四十人が集まった。松田典仁県人会長が歓迎の言葉をのべ、記念品を交換した。最後に高柳清名誉会長は「ぜひまた来てください」と呼びかけた。
 一行は、六日にパラー州に移動。七日に州知事やベレン総領事を表敬訪問した後、八日に群馬の森十周年式典に出席する。十日に帰途につく予定。

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