ホーム | 日系社会ニュース | ドリア市長=「日本人じゃないみたい!」=110周年、日系団体代表に喝=東洋街活性化案に暗雲漂う=全額負担求める市長との溝深く

ドリア市長=「日本人じゃないみたい!」=110周年、日系団体代表に喝=東洋街活性化案に暗雲漂う=全額負担求める市長との溝深く

池崎会長からの追求にドリア市長が赤面する場面も

池崎会長からの追求にドリア市長が赤面する場面も

 【既報関連】日本移民110周年を記念した官民合同事業を議論する、聖市行政関係者と主要日系団体代表者による「第4回会合」が19日、市長執務室で開かれた。何の資金的裏付けもない、東洋街活性化構想が勝手に立案され、迷走を深めていた前回の同会合――。日本政府、進出企業、日系社会に100%の負担を求めるドリア市長と、消極的な主要日系団体との間にある深い溝がついに露呈し、緊張が高まる場面がみられた。

 前回会合で官民共同事業実現のため資金調達を目的とした「資金管理委員会」の設置を提言したドリア市長。今回は冒頭から、企業から協賛を得て公金を一切費やさずに成功させた事例として、聖市路上カーニバルについて言及。市長は「いかなる祭典にも公的資金は投じない。当初からこのようにやってきた」と立場を明確にした。
 それを受けて、関口ひとみ首席領事は「日本政府は移民110周年記念事業を財政的に支援することはできない」とする一方で、「日系社会と伯国との関係を重視していることに疑いはない」とも強調。日本から要人が来伯した場合に必要となる応対支援、ジャパン・ハウスを通じた移民110周年への協力について言及した。
 日系団体代表者と事前に打ち合わせをし、その声を代表する形で野村アウレリオ市議が「すでに多くの記念事業があり、その資金集めに四苦八苦している状況。東洋街活性化を行う余裕がない」と消極的立場を示すと、いよいよ市長の表情が厳しくなった。
 野村市議の話を遮るように、県連日本祭りについて説明を求めた同市長。ところが日系出席者側には事前に議題が周知されておらず、沈黙が続くなか、ついに同市長が不満を噴出させた。
 イタリア系コミュニティがセントロの広場を約450万レアル全額負担して改修した例を上げ、市長は日系社会も「それぐらいのことをして当然」という口調に終始し、「あなた方は日本人ではないみたいだ。日本は規律と計画性のある国のはず。どうして市長との会議に参加して、何の企画も持ってこないのか。これは間違っている」と批判した。
 福原カルロス文協副会長が日本祭について口頭で説明したが、同市長の不満は収まらず、「日本祭は立派で組織だった事業だが、入場に(金銭的な)制限がある」と指摘。「国家建設に大きく貢献した海外最大の日系社会が110周年の節目を迎え、伯財界でも代表的な存在である日本企業がありながら、公的事業は何一つないのか」と問いかけた。
 それに対し、文協理事の大田レオ氏が、日伯歌手を招き両国の歴史をテーマとした舞台を7月21、22日に日本祭り会場とイビラプエラ公園内講堂で行う計画があると発表した。その他、トップ・トレンド社が公共美術「COW・PARADE(牛の行進)」を模した「ジャパン・パレード」の構想を提案。市内各地に1カ月間、日系美術家らによりデザインされた鶴、鯉、招き猫の110個の作品を配置する計画もあるという。
 最後に、第2回会合で同市長が署名を約束していた、リベルダーデ広場地名に「Japao」の文言を加える法案が市議会で承認された後、市長に拒否されたことを、池崎博文ACAL会長が言及した。再考を求めた池崎会長の懇願に対し、市長は「東洋街活性化の資金集めを担うこと」を交換条件にあげた。池崎会長がそれを承諾すると拍手が沸いたが、どうやって集めるのかの説明はなく、ある種、異様な展開となった。


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 東洋街活性化について松永愛一郎商議所会頭は「東洋街の道路修繕等は我々の責任だとは思わない」と否定的見方を示しつつ、「例えば移民史料館の改修は全日系社会の象徴となる施設であり、多くの企業が支援に前向きだ」とも。ドリア市長は「史料館を直すのは重要だし良いことだ。でも、優先的に日系人の関心を引くものでしかない。だが、日系人に特徴付けられる東洋街は、観光地であり伯人も外国人も通うところ。110年の歴史があり、海外最大の日系人を抱えて市の発展に貢献してきた日系社会が、活性化に無関心なのはおかしい。これはより開けた視座に立ったものだ」と皮肉交じりで高圧的な物言いに、参加者からも不満が相次いだ。
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 終始不穏な雰囲気が漂う会議ではあったが、ドリア市長は、眞子さまのご来聖が期待される7月21日に、市内の主要大通りの旗柱に掲揚されている伯国旗を日章旗に差替える案を提示する場面もあった。「まずは法的に支障がないかを確かめる必要があるが、もしそれが可能であるなら、ブラジルと聖市からの皇室と日系社会への顕彰になるはず」と語った。

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