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「キョウゲン」の世界=USP劇場で25日から

2006年8月22日付け

 カンピーナス大学(Unicamp)芸術学部講師で演出家・振り付け師のアリセ・Kさんによる「キョウゲン(Qioguem)」の公演、ワークショップが二十五日から、サンパウロ市コンソラソン区のUSP劇場(Rua Maria Antonia,294)で始まる。開催に先立ち、十八日、アリセさんが国際交流基金で会見した。
 日本の狂言をアレンジした「キョウゲン(Qioguem)」。アリセさんによれば、「自分の狂言は西洋的な狂言劇となっている」ため、「キョウゲン」と呼ぶのだという。
 「喜劇の特徴がある狂言は、能を鑑賞するよりももっと理解がしやすく、入り込みやすいもの」と語るアリセさんは、一九九一年、日本で大蔵流(山本東次郎)、和泉流(故・野村万之丞)で能・狂言を研究し、九八年、国際交流基金の後援によって「能・狂言」地方公演に参加し、ブラジル五州にわたってレパートリーを発表した。
 全部で二百五十曲ある狂言のうちからアリセさんが三十曲を翻訳。同公演はその中から選んだ五曲、「菌(くまびら)」、「髭櫓(ひげやぐら)」、「文山立(ふみやまだち)」、「因幡堂(いなばどう)」、「節分」とほか「ア・デウザ・ダ・モルテ」の作品をカンピーナス大学の生徒たち計十五人が発表する。
 公演予定の同六曲には、観客が作品を理解しやすいように誘導する役割を果たす「ドナ・キョウゲン」が登場。狂言がわからない人でも楽しめる工夫が凝らされている作品となっている。
 狂言とは「普段忘れている想像力を取り戻すことができるもの」と述べるアリセさん。「生徒たちに教え始めた当初は、『狂言なんて』と生徒たちは話していたのが、今では『狂言しかやりたくない』といっているほど、とりこになっているんです。観客の方々にも同じように感じてもらいたいですね」と語った。
     ◎
【公演】
 二十五日から九月十七日までの金、土、日。金曜および土曜日は午後九時、日曜日は午後八時から。(八十分公演)。入場料は十五レアル(学生割引有り)
 講演は三十一日午後三時から。入場無料。
 また同会場では、九月一、二、八、九日の四日間、午後二時から午後六時まで「キョウゲン」作品の成り立ちなども紹介するワークショップも実施する。参加費は無料。
     ◎
【ワークショップ申し込み】
 参加希望者は二十五日までに氏名、年齢、職業、Eメールアドレス、電話番号、簡単な履歴書、ワークショップへ期待することを記入し、メールアドレス(mina@fisp.org.br)に送る。結果を二十九日、webサイト(www.fisp.org.br)で確認後、電話で確認する。
 問い合わせは、国際交流基金(11・3288・4971)まで。

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