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〝歌姫〟ひばりの思い出とともに=「日本人の心の歌」チャリティーショー=千三百人が感動の渦に

2006年8月19日付け

 〃昭和の歌姫〃美空ひばりの歌をもう一度――。文協記念大講堂で二十日、美空ひばりのデビュー六十周年を記念したチャリティーショー「日本人の心の歌」(中矢レナート実行委員長)が開かれた。ひばりの名曲をコロニア歌手が歌いあげた会場にはこの日、千三百人が駆けつけ、満員の客席は感動の渦に包まれた。
 同チャリティーショーは本紙読者の投票で選ばれた名曲を、全伯や聖州のカラオケ大会で優勝した経験のある歌手たちが歌いあげるもの。六回目となる今年は、「昭和の歌姫」美空ひばりの三十曲を含む五十五曲が披露された。
 当日は朝七時半から開場を待つ人の姿もあり、十時の開演時間になると、会場は満席になった。
 来場した人たちの中にはひばりのファンも多く、『川の流れのように』、『悲しい酒』『りんご追分』など昭和と共に生きたひばりの名曲に聞き入った。胸に手を置いて聞く人、一緒に口ずさむ人、手拍子しながら聞く人たちの姿もあった。
 「(ひばりの)子供の頃からのフィッタがうちにあるんですよ」と話してくれたのは、高桑章さん(80)と鈴子さん(75)夫妻。三十六年前の一九七〇年来伯した、当時三十三歳だったひばりのショーを観にいった。日本へひばりを観にいったこともあるという。
 「ひばりが他界した年にも、ちょうど日本を訪れていた」と話し、同ショーを観ながらひばりの思い出を深くかみ締めていた。
 「友人と一緒に観に来ました」と話す密田絹子さん(74)は「『荒城の月』は七つの時母に教わった曲」と語り、母親を思い出し感動していた。
 『荒城の月』は昨年「戦後六十周年」を記念して実施された同チャリティーショーで、リクエストの一位に輝いた曲。
 一曲一曲に、それぞれの思い出があり、昭和の思い出の歌五十五曲をそれぞれの想いで聴いた一日。計六時間にわたって行われたショーは最後まで満員の状態が続いた。
 楽屋では、千三百人の来場客の声援に感動する歌手も多く、ショーが終わっても興奮覚めやらぬ様子の菊池悦子さんの姿があった。
 菊池さんは九〇年までプロとして歌ってきた歌手。当日は、『人生いろいろ』と『悲しい酒』を熱唱した。「みなさんが一生懸命聴いてくださるのがジーンときます。(同チャリティーショーで歌うのは)四回目ですが、他の予定もキャンセルしてまでも歌いに来たいと思うショーです」と満足した様子で感想を話していた。
 「中には、歌ったことのない曲を歌い上げる歌手もいるんです。さすがですね」と話すのは、演奏を担当したザ・フレンズ楽団リーダーの蛯原忠男さん(57)。「今回の少ない練習量に比べたら上出来だった」と演奏の感想を語った。
 当日は五十人の歌手が出演。歌に合わせて作り上げた衣装に身をまとう歌い手の中には、ひばりの小さい頃を思い出させる九歳の女の子の姿もあった。
 また、昼食時には丹下セツ子さんの友情出演もあり、舞踊『昭和残侠伝』のほか、丹下セツ子太鼓道場の太鼓も披露された。
 実行委員会の道みどりさんによれば、「満員の状態が続いたので、午後に来てくれた方には入場を諦めてもらった場面もあった」という。
 「みんなの心の歌とは戦争があった激動の昭和にある」と話すのは、ショーのプロデューサーで司会を務めた道康二さん。「苦労した昭和の時代の説明を加えることで、聞く人がその曲に対してさらに思いが入るから」と、当時何が起きていたか、何が流行っていたかナレーションを加えた理由を語った。
 同チャリティショーは、「日本人の心の歌チャリティーショー」実行委員会とニッケイ新聞が共催。ブラジル日本文化協会、サンパウロ日伯援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、ブラジル日系老人クラブ連合会が後援した。ショーの純益は社会福祉法人「こどものその」に寄付される。
      ◎
 ショーのDVDとビデオは現在製作中。各八十レアル。問い合わせはニッケイ新聞(11・3208・3977)まで。

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