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援協施設の実状知る=地区委員ら視察=老人ホーム入居率70~80%=職員不足、負担も大きい

2006年8月30日付け

 サンパウロ日伯援護協会の会員課、広報渉外室、福祉部による「第六回地区委員援協施設視察訪問」が二十六、二十七の両日おこなわれた。参加地区委員は四十人、援協運営の〃底〃を外部で支える存在だ。国や地方自治体の援助を受けていない援協の老人ホーム、その入居率がおおむね七〇~八〇%、職員が不足していて負担が大きい実状などをみた。
 初日に社会活動部・奄美事業所、日伯友好病院、社会復帰センター・やすらぎホーム、特別養護老人ホーム・あけぼのホーム、カンポスさくらホームを視察。現在開催中の同施設の「カンポス桜祭り」(来月二、三日も開催)を楽しんだ。翌日はスザノ・イッペランジャホーム、サントス厚生ホームを訪れ、午後は同市内の日本移民上陸記念碑を見学した。
 参加者の一人は、今回の施設訪問を振り返り「少し急ぎ足でしたが、各施設の現状がよくわかって良かった」と満足した様子だった。
 今年はサンパウロ市近郊在住の地区委員四十人が参加。地区委員は担当区内の新会員の勧誘や会費の徴収をおこなうほか、各施設の現状や事業展開の紹介をするなど、同協会にとっては欠くことができない縁の下の力持ち。現在、全伯に約二百四十人がボランティアで活動している。
 各施設の訪問では、ホーム長と経営委員長のあいさつが中心。カフェやお菓子なども用意され、説明に熱心に耳を傾けていた。
 参加者の質問は、各施設とも入居料、入居者数や入居定員など具体的な数字に集中した。
 各施設では入居定員に対し、七〇~八〇%ほどが入居している。入居者の受け入れに余裕があるとして、福祉部の関係者は「ホームへの入居に関心がある人には積極的に紹介をしてほしい」と呼びかけていた。
 なお同協会の施設は、日本と違って国や市からの援助は一切ない。入居費用の全額を払える入居者は多くなく、半分や七割ほどしか支払えない人には、同協会が残りを負担しているのが現状だ。そのため、各施設とも毎月の収支は赤字を計上。同協会の会費などは、こういった各施設での赤字の補填などにも充てられている。
 入居定員に達していない施設は確かに多い。しかし、働くスタッフはそれに対して少なく、従業員一人ひとりの負担も大きい。あけぼのホームなどでは、現在四十八人が入居。実際に世話をする介護士は十四人、寮母は十五人の計約三十人。昼夜の交代を含めて毎日十五人前後が働いているが、「到底人手が足りていない」という。ある参加者の語っていた「笑顔あふれる施設」を目指す上で、現実の数字と理想の間には、まだまだ課題も多いようだ。
 各ホームの詳細や問い合わせは同福祉部まで。電話(11・3385・6606)。

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