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デカセギ子弟教育ノウハウ模索――日本から大学教授ら4人――

2006年9月12日付け

 日本におけるデカセギ子弟の教育のノウハウづくりを少しでもすすめたい、と山口陽弘群馬大学教育学部(教育心理)助教授、江原裕美帝京大学法学部教授(日本国際教育学会会長)ら四人の大学教員が、去る三日、着聖。サンパウロ大学日本文化研究所(織田慎子所長)の協力を得て、国内の関係機関、日系団体、日本語学校をまわって、「ブラジルの特殊事情」を視察している。日本政府から研究費の助成を得ておこなっている事業だ。
 四人は、モラレス松原礼子サンパウロ大学文学部日本語学科助教授の案内で、これまでサンパウロはじめ近郊のスザノ、モジの公立小学校、市立学校、私塾を視察、デカセギ子弟たちが「どういう学校を経て日本にきているのか」を把握しようとしている。今週、ブラジリアの教育省、ロンドリーナの日本語学校にも足をのばす。
 山口助教授は八日午後「デカセギが集住している太田市、大泉町などの公立小、中学校には群馬大学の卒業生たちが数多くつとめているが、デカセギ子女教育は初体験、悪戦苦闘している状態だ。わたしたちにもこうしたらいい、と示すものがない。こちらで現場をみ、話をきいて、日本に帰ったらどうサポートできるか、可能なかぎり探りたい」と語った。